「アルゼンチンババア」を観る
2007年 03月 15日
よしもとばなな作・奈良美智とのコラボレート映画「アルゼンチンババア」を観てきました。
主演者は今をときめく堀北真希ちゃん、そのお父さん役に役所広司さん、そして“ババア”と呼ぶにはあまりに美しい鈴木京香さん。特に京香さんの“ババア”ぶりが期待でした。
お恥ずかしながら、よしもとさんの作品は未読、つい数年前まで「奈良美智」さんは「ならみち」さんで、女性と思っていた位のビギナー度(正しくは「ならよしとも」さん、男性)、大丈夫かな?と思いましたが、案の定独特の世界観にいつもと違った感じを受け取りました。
奈良美智さんの絵といえば、ふてくされた様な“釣り目少女”ですよね。この映画との関係はイマイチ判らなかったのですが、映像全体のイメージと不思議とマッチしており、フランス映画「アメリ」(全然違う作品ですが)のようなオトナの絵本を読んでいる様でした。
(↓ここからネタばれ。今回はとてもデリケートな作品なので、お話は転用)
最愛の妻が死んだ日、毎日病院に通っていた石彫り職人の悟(役所広司)は姿を消してしまう。娘のみつこ(堀北真希)は叔母や従兄弟に助けられながら、父の帰りを健気に待っていた。半年後、悟は変わり者と評判の女性アルゼンチンババア(鈴木京香)の屋敷で発見される。みつこは勇気を奮って父親奪還に向かうが……。(Yahoo!映画/シネマトゥディより)
今回の試写は公認コミュニティ・公式ブログ主催の会で、試写上映前に、この作品の宣伝活動をしている会社の三人のOLさんがド素人からほんの数日でアルゼンチンタンゴを習得、本日披露する、とう大胆不敵(!?)なイベント付。
(詳細は・・・~アルゼンチンババア公式ブログ~踊れ!タンゴ三姉妹!!~ で。)
会場では遠くてよく判らなかった三姉妹がブログ写真でとっても美人だったので近くて見たかったな~、とちょっと後悔。。。
ぁ、感想感想。
まず、母の死に水を独りで取り、父に放置された女子高生・みつこを掘北真希ちゃんがすっごくイイ感じに演じています。
経験した方はご存知でしょうが、身内が亡くなってからお葬式までは、一番悲しい親族が一番悲しみに浸れない、駆け足に様々な事をこなさないとなりません、嫌でも。
田舎の隣近所が親戚か幼馴染で助かったみつこでさえ、自らしなくてはならない事が。
精進落としの‘おつまみ’を仕出鮨でもてなす為に、みつこが取りにいくところで、悲しくて情けなくて疲れ果てた彼女が、ふらりとあんまマッサージにかかるシーンは涙なくして見れませんでした。状況を呑み込めない見習いマッサージ士・向井(ココリコ田中)のピントの外れた質問に、みつこがボケ・・・とも言えない言葉で返し、そして大泣きするんです。
これだけで、彼女の今後がものすごく楽しみになりました。
作品の原作を知らないので、何とも言えないのですが、人の死をどう受け止め、どのように自分で処理するのか、というような事が描かれた作品でした。
こう字面にすると、重たくなるイメージを、ばななさん特有の持ち味と、画コンテ(っていうのよね)やカット割で爽やかに穏やかに表現していた様に思えます。
HPを見ると、不思議なアルゼンチンババアと呼ばれるユリ(鈴木)の洋館の詳細が良く判り、現実逃避した悟(役所)がユリ以外のものにも癒されたのかな、と思いました。
ただ、私は映画だけではユリの魅力や悟の苦悩がよく読みとれず、みつこの叔母の早苗(森下愛子)や従兄弟、悟の幼馴染で、うなぎ屋の白井(岸部一徳)の面白くて魅力ある個性の方に目がいってしまい(可笑しいんですよ)ました。脇役の皆さん光ってました。
音楽も良かったし、青い空、緑溢れる風景、ユリの洋館へ向かう道中のロンググラスを掻き分け掻き分け進む感じ(みつこの心の風景の様でした。)とか、かなり素敵な映像満載でしたが、心情に届く何か・・・はちょっと掴めませんでした。
また、「ババア」と呼ばれるほど京香さんが老けていない(ばっさばさの白髪でも顔に皺ひとつナイ!)ので、個人的な意見として、大竹しのぶさんや風吹ジュンさんなど、45歳以上の謎めいた空気の出せる女優さんの方が似合っていたのでは?と思いました。
不思議な蜂蜜とか、みつこのパンとか、死んだ母(手塚里美)やユリのバックボーンとかもう少し判ると(原作読めばいいのかな?)アルゼンチンタンゴの必然性がUPしてもっと楽しめたかな~と思った作品でした。
主演者は今をときめく堀北真希ちゃん、そのお父さん役に役所広司さん、そして“ババア”と呼ぶにはあまりに美しい鈴木京香さん。特に京香さんの“ババア”ぶりが期待でした。
お恥ずかしながら、よしもとさんの作品は未読、つい数年前まで「奈良美智」さんは「ならみち」さんで、女性と思っていた位のビギナー度(正しくは「ならよしとも」さん、男性)、大丈夫かな?と思いましたが、案の定独特の世界観にいつもと違った感じを受け取りました。
奈良美智さんの絵といえば、ふてくされた様な“釣り目少女”ですよね。この映画との関係はイマイチ判らなかったのですが、映像全体のイメージと不思議とマッチしており、フランス映画「アメリ」(全然違う作品ですが)のようなオトナの絵本を読んでいる様でした。
(↓ここからネタばれ。今回はとてもデリケートな作品なので、お話は転用)
最愛の妻が死んだ日、毎日病院に通っていた石彫り職人の悟(役所広司)は姿を消してしまう。娘のみつこ(堀北真希)は叔母や従兄弟に助けられながら、父の帰りを健気に待っていた。半年後、悟は変わり者と評判の女性アルゼンチンババア(鈴木京香)の屋敷で発見される。みつこは勇気を奮って父親奪還に向かうが……。(Yahoo!映画/シネマトゥディより)
今回の試写は公認コミュニティ・公式ブログ主催の会で、試写上映前に、この作品の宣伝活動をしている会社の三人のOLさんがド素人からほんの数日でアルゼンチンタンゴを習得、本日披露する、とう大胆不敵(!?)なイベント付。
(詳細は・・・~アルゼンチンババア公式ブログ~踊れ!タンゴ三姉妹!!~ で。)
会場では遠くてよく判らなかった三姉妹がブログ写真でとっても美人だったので近くて見たかったな~、とちょっと後悔。。。
ぁ、感想感想。
まず、母の死に水を独りで取り、父に放置された女子高生・みつこを掘北真希ちゃんがすっごくイイ感じに演じています。
経験した方はご存知でしょうが、身内が亡くなってからお葬式までは、一番悲しい親族が一番悲しみに浸れない、駆け足に様々な事をこなさないとなりません、嫌でも。
田舎の隣近所が親戚か幼馴染で助かったみつこでさえ、自らしなくてはならない事が。
精進落としの‘おつまみ’を仕出鮨でもてなす為に、みつこが取りにいくところで、悲しくて情けなくて疲れ果てた彼女が、ふらりとあんまマッサージにかかるシーンは涙なくして見れませんでした。状況を呑み込めない見習いマッサージ士・向井(ココリコ田中)のピントの外れた質問に、みつこがボケ・・・とも言えない言葉で返し、そして大泣きするんです。
これだけで、彼女の今後がものすごく楽しみになりました。
作品の原作を知らないので、何とも言えないのですが、人の死をどう受け止め、どのように自分で処理するのか、というような事が描かれた作品でした。
こう字面にすると、重たくなるイメージを、ばななさん特有の持ち味と、画コンテ(っていうのよね)やカット割で爽やかに穏やかに表現していた様に思えます。
HPを見ると、不思議なアルゼンチンババアと呼ばれるユリ(鈴木)の洋館の詳細が良く判り、現実逃避した悟(役所)がユリ以外のものにも癒されたのかな、と思いました。
ただ、私は映画だけではユリの魅力や悟の苦悩がよく読みとれず、みつこの叔母の早苗(森下愛子)や従兄弟、悟の幼馴染で、うなぎ屋の白井(岸部一徳)の面白くて魅力ある個性の方に目がいってしまい(可笑しいんですよ)ました。脇役の皆さん光ってました。
音楽も良かったし、青い空、緑溢れる風景、ユリの洋館へ向かう道中のロンググラスを掻き分け掻き分け進む感じ(みつこの心の風景の様でした。)とか、かなり素敵な映像満載でしたが、心情に届く何か・・・はちょっと掴めませんでした。
また、「ババア」と呼ばれるほど京香さんが老けていない(ばっさばさの白髪でも顔に皺ひとつナイ!)ので、個人的な意見として、大竹しのぶさんや風吹ジュンさんなど、45歳以上の謎めいた空気の出せる女優さんの方が似合っていたのでは?と思いました。
不思議な蜂蜜とか、みつこのパンとか、死んだ母(手塚里美)やユリのバックボーンとかもう少し判ると(原作読めばいいのかな?)アルゼンチンタンゴの必然性がUPしてもっと楽しめたかな~と思った作品でした。
by bijomaru0330am | 2007-03-15 23:45 | 試写会