「おくりびと」を観る
2008年 07月 20日
先日お招きを頂いた、リニュアル・新宿ピカデリーで「おくりびと」を観てきました。
山崎努・本木雅弘・広末涼子・余貴美子・・・素晴らしいラインナップの俳優陣。観る前から期待が高まりましたが、その期待を何倍にもして返してくれた今年度最高ランクの邦画で、温もりと人の死の対比が素晴らしい作品でした。
↓ここからちょっとネタバレあり。
大吾(本木)は妻の美香(広末)を連れ、母の残した庄内の家に帰ってきた。チェリストとして東京で楽団に入ってた大吾だったが、楽団の解散に伴い無理して買ったチェロの借金だけが残ったのだ。生活を一からやり直そうと田舎に越してきた大吾。まずは仕事を探さないとならない。新聞で見つけた求人は思いもよらない仕事だった。
プレイベートが一段落した広末ちゃん(完成会見で本木さんにもイジられていた)。
最近意欲的にいろんな役柄に挑んでいて、好感を持っていました。今までは結構‘我’の強い元気なイメージでしたが、今時の奥さんらしく、意思がはっきりしているものの‘大吾を支えるよき理解者の妻’役で良かったです。これを機会により飛躍を期待できると確信しちゃいました。
山崎さん、余さんはもう安心・安全(笑)で観ていられる演技者ですし、もっくん(本木さん)も周防監督作品で魅せたハンサムなのにコミカルで、でも清潔感のあるイメージを保ちつつ年齢相応の安定感を示してくれ、これまた良かったです。
大吾が就いた(というか、流れで断れなかった)仕事はなんと納棺師。
NKエージェントの社長・佐々木(山崎)の独特なオーラに気押させて、事務の上村(余)さんの空気も妙なこの仕事、羽振りはいいみたい。美香には「冠婚葬祭の仕事(ウソではない)。」と言い、しばらく内緒にする事に。
大吾の慌てぶりと佐々木の大物(?)っぷり。いい掛け合いです。田舎町の風景やNKエージェントの建物(風情あり・・・内部も趣きあり)とあいまっていい雰囲気~。
大吾の幼馴染で銭湯屋の息子(杉本哲太)と交わす会話は東北弁。味わいと人間味を感じます。
納棺・・・ですから、ご遺体を御棺に入れるお仕事です。エンバーミングというご遺体にメイクしたり保存したりするお仕事は知ってたのですが、納棺師という日本古来のお仕事があったのですね、これ単体の。協会も葬儀屋とは別にあるんですね・・・。
大吾が初仕事についたそのお宅は、ちょっと酷な状況でした。劇場内は大笑いのウズだったのですが、親類に似た状況で亡くなられた事がある身内としては、個人的には笑えなかったです。(劇場でご確認を)
帰宅した大吾は滅入り気分も悪くなる。精気溢れる美香に気遣われるうちに彼女にしがみつき求めるのです。一児の母とは到底思えない華奢な広末ちゃんの下腹部がぁ~!
・・・結構大胆なシーンでした。
人の生き死にって、大騒動で時として傍から見ると笑える事してたりしません?
そんな笑っちゃいけないけど、笑ってしまう出来事あり、笑うに笑えない出来事あり。
・・・また嗚咽を我慢出来ない様な出来事あり。“生き死に”って本当にドラマです。
劇場内は同じシーンも見ているのに笑っている方、泣いている方、いろいろでした。
大吾は徐々にこの仕事に対しての遣り甲斐というか、意味の深さを感じとっていきます。
それに、周りや美香の反応や、大吾の心に影を落としていた両親のこと等が絡まり、家族の愛・夫婦の愛・親子の愛などをいろんな形で見せて貰いました。
納棺師の所作って、茶道とか香道とかみたいなお能の舞みたいな優雅さがあって、言い方どうかなと思いますが「見惚れ」ます。
御棺に入ったら(これは‘あの世’への乗り物と思うので)もう片足‘あっち’へ旅立つ、その際々の処を綺麗に身繕いしてくれて、「いってらっしゃい。」ってしてくれる。
自分じゃ到底出来ないけど、自分の時もしてほしいなぁ、とか思っちゃいました。
大吾が心やすめるチェロのシーンや音楽(久石譲)も穏やかで良かったです。
「おくりびと」@映画生活
山崎努・本木雅弘・広末涼子・余貴美子・・・素晴らしいラインナップの俳優陣。観る前から期待が高まりましたが、その期待を何倍にもして返してくれた今年度最高ランクの邦画で、温もりと人の死の対比が素晴らしい作品でした。
↓ここからちょっとネタバレあり。
大吾(本木)は妻の美香(広末)を連れ、母の残した庄内の家に帰ってきた。チェリストとして東京で楽団に入ってた大吾だったが、楽団の解散に伴い無理して買ったチェロの借金だけが残ったのだ。生活を一からやり直そうと田舎に越してきた大吾。まずは仕事を探さないとならない。新聞で見つけた求人は思いもよらない仕事だった。
プレイベートが一段落した広末ちゃん(完成会見で本木さんにもイジられていた)。
最近意欲的にいろんな役柄に挑んでいて、好感を持っていました。今までは結構‘我’の強い元気なイメージでしたが、今時の奥さんらしく、意思がはっきりしているものの‘大吾を支えるよき理解者の妻’役で良かったです。これを機会により飛躍を期待できると確信しちゃいました。
山崎さん、余さんはもう安心・安全(笑)で観ていられる演技者ですし、もっくん(本木さん)も周防監督作品で魅せたハンサムなのにコミカルで、でも清潔感のあるイメージを保ちつつ年齢相応の安定感を示してくれ、これまた良かったです。
大吾が就いた(というか、流れで断れなかった)仕事はなんと納棺師。
NKエージェントの社長・佐々木(山崎)の独特なオーラに気押させて、事務の上村(余)さんの空気も妙なこの仕事、羽振りはいいみたい。美香には「冠婚葬祭の仕事(ウソではない)。」と言い、しばらく内緒にする事に。
大吾の慌てぶりと佐々木の大物(?)っぷり。いい掛け合いです。田舎町の風景やNKエージェントの建物(風情あり・・・内部も趣きあり)とあいまっていい雰囲気~。
大吾の幼馴染で銭湯屋の息子(杉本哲太)と交わす会話は東北弁。味わいと人間味を感じます。
納棺・・・ですから、ご遺体を御棺に入れるお仕事です。エンバーミングというご遺体にメイクしたり保存したりするお仕事は知ってたのですが、納棺師という日本古来のお仕事があったのですね、これ単体の。協会も葬儀屋とは別にあるんですね・・・。
大吾が初仕事についたそのお宅は、ちょっと酷な状況でした。劇場内は大笑いのウズだったのですが、親類に似た状況で亡くなられた事がある身内としては、個人的には笑えなかったです。(劇場でご確認を)
帰宅した大吾は滅入り気分も悪くなる。精気溢れる美香に気遣われるうちに彼女にしがみつき求めるのです。一児の母とは到底思えない華奢な広末ちゃんの下腹部がぁ~!
・・・結構大胆なシーンでした。
人の生き死にって、大騒動で時として傍から見ると笑える事してたりしません?
そんな笑っちゃいけないけど、笑ってしまう出来事あり、笑うに笑えない出来事あり。
・・・また嗚咽を我慢出来ない様な出来事あり。“生き死に”って本当にドラマです。
劇場内は同じシーンも見ているのに笑っている方、泣いている方、いろいろでした。
大吾は徐々にこの仕事に対しての遣り甲斐というか、意味の深さを感じとっていきます。
それに、周りや美香の反応や、大吾の心に影を落としていた両親のこと等が絡まり、家族の愛・夫婦の愛・親子の愛などをいろんな形で見せて貰いました。
納棺師の所作って、茶道とか香道とかみたいなお能の舞みたいな優雅さがあって、言い方どうかなと思いますが「見惚れ」ます。
御棺に入ったら(これは‘あの世’への乗り物と思うので)もう片足‘あっち’へ旅立つ、その際々の処を綺麗に身繕いしてくれて、「いってらっしゃい。」ってしてくれる。
自分じゃ到底出来ないけど、自分の時もしてほしいなぁ、とか思っちゃいました。
大吾が心やすめるチェロのシーンや音楽(久石譲)も穏やかで良かったです。
「おくりびと」@映画生活
by bijomaru0330am | 2008-07-20 23:45 | 試写会