「王妃の紋章」を観る
2008年 04月 04日
「HERO」では男の生き方を感じさせ、「LOVERS」では愛の絆の強さを感じさせてくれたチャン・イーモウ監督。今作品「王妃の紋章」ではなんとも煌びやかで壮大な中にも寒々しい無常と非情と衰退、巨大々国の唐の晩期の栄枯盛衰を、描いています。
この作品、なんと本国では二年も前の公開。しかも、もとは戯曲として有名な話だそうで、ある種リメイクなんですね。さしずめ日本の静御前の様な(気持ちとしては間逆ですけど)位置づけかしら、女性の感情のお話としてはメジャーなんだそうです。
この作品の見所、なんと言っても、主演のチョウ・ユンファとコン・リーの圧倒的な迫力。
二人の火花散るオーラが作品全体を包みます。「こ、怖いよ~!」と感じるくらい。
↓ここからネタバレあり。色の洪水に呑まれたければ、劇場へ。
中国の大国・唐の後期。家族の繋がりを祈り祝う「重陽節」を前に、王(チョウ・ユンファが城に戻って来る。まだ夜も覚めやらぬ時間、出迎えの準備に無数の人々は整然と慌しい。そんな時にも、時を告げる銅鑼が鳴ると、王妃(コン・リー)には薬が必ず運ばれる。疳の強い王妃の為に、王がわざわざ調合させた薬。王妃は浮かぬ顔で薬を飲む。と、いうよりも嫌々、しかし毅然と。
原題は「満城尽帯黄金甲」。
翻訳ツールを参考にして日本語になおすと、「お城の中には満々(夥しい)の黄金(の甲)」でしょうか?ホント、そんな感じ。
お城には“合わせ鏡”を覗き込んだ時に起こる永遠の自分・・・ではなく、永遠に続くがごとくの女官、仕官、武官、・・・・柱、扉、揮、・・・装飾品、壷、鍋、皿~~~。CGではないので迫力満点。
オープニングはそういった「これでもか!」「うりゃ!」といったパワー映像てんこ盛り。女官の胸(おっ○い)をぎゅーと絞った衣装がなんともなまめかしく、ずらっとならんだ彼女らの胸に目が・・・(ぁ、いやいや)、いったい何人いたんだろう、と感じますよ。
このてんこ盛り映像、全編にもうバンバンでてきまして、「HERO」で感じた色の洪水はここでは+(プラス)数の洪水です。
「重陽節」の為に宮殿の中庭に恐ろしい数の金色の花(たぶんマリーゴールド)の植木鉢を並べるのですが、花の絨毯どころか花の地面。生やした方が早くね?と思ったりして。
実はその花のカーペット上で戦い(壮大壮絶)が行われ、金色は踏みにじられ血に染まり、めちゃめちゃになるのですが、終戦すると、「さっきの争いのことはキミら見てないでしょ?知らないでしょ?知るわけないよねー。(待機してたんだから)」って数の人が館から飛び出してきて、「あっ」という間に死体を片し、水を流し箒で掃き、花をまた並べる。うげースゴー。
ちょっと魚の市場を思い出しちゃいました。朝一でバンバンならぶお魚さん。解体され、場内は血だらけ~、のあとホースで水撒いて綺麗にしてますよね、あんな感じののスケール大々々版ですか。(たとえ悪くてスミマセン)
映像のスケールは字面には非常にしづらいのですが、前出の「HERO」「LOVERS」に続く、武侠三部作の最終作だそう、二作品を見た方は想像しやすいかも。スケールUPしたイーモウ監督の映像マジックをご堪能あれ。
話は、王はその昔、出世の為第一王子の母を捨て今の王妃と政略結婚。しかし愛は枯れ、第一王子と王妃は不倫。それを知った王が王妃を病死させるべくじわじわと毒薬をもっている。それは承知で、時を見計らい企てを練る王妃、実子の第二王子を世継ぎにと思案する。影からすべてを盗み見る第三王子、的なドロドロ度100の、愛憎劇なんで、感想はあまりいらぬかと。そこはイーモウ監督、しっかり武術も魅せますよ。
大魔神のような金色の鎧で目を見開くユンファと、簪だらけで金色のつけ爪で口元を隠しながら毒入り薬を飲み干す(で、お茶碗をぞんざいに返す)コン・リーのド迫力合戦が見もの。
ぁぁ、ビンボーでもささやかな愛のある庶民の生活がいーわなー、と感じる、子孫死に絶え(新しい奥さん貰うだけでしょうけど)の悲惨なお話です。
でも、ちょっとあの女官の格好はしてみたい。
「王妃の紋章」@映画生活
この作品、なんと本国では二年も前の公開。しかも、もとは戯曲として有名な話だそうで、ある種リメイクなんですね。さしずめ日本の静御前の様な(気持ちとしては間逆ですけど)位置づけかしら、女性の感情のお話としてはメジャーなんだそうです。
この作品の見所、なんと言っても、主演のチョウ・ユンファとコン・リーの圧倒的な迫力。
二人の火花散るオーラが作品全体を包みます。「こ、怖いよ~!」と感じるくらい。
↓ここからネタバレあり。色の洪水に呑まれたければ、劇場へ。
中国の大国・唐の後期。家族の繋がりを祈り祝う「重陽節」を前に、王(チョウ・ユンファが城に戻って来る。まだ夜も覚めやらぬ時間、出迎えの準備に無数の人々は整然と慌しい。そんな時にも、時を告げる銅鑼が鳴ると、王妃(コン・リー)には薬が必ず運ばれる。疳の強い王妃の為に、王がわざわざ調合させた薬。王妃は浮かぬ顔で薬を飲む。と、いうよりも嫌々、しかし毅然と。
原題は「満城尽帯黄金甲」。
翻訳ツールを参考にして日本語になおすと、「お城の中には満々(夥しい)の黄金(の甲)」でしょうか?ホント、そんな感じ。
お城には“合わせ鏡”を覗き込んだ時に起こる永遠の自分・・・ではなく、永遠に続くがごとくの女官、仕官、武官、・・・・柱、扉、揮、・・・装飾品、壷、鍋、皿~~~。CGではないので迫力満点。
オープニングはそういった「これでもか!」「うりゃ!」といったパワー映像てんこ盛り。女官の胸(おっ○い)をぎゅーと絞った衣装がなんともなまめかしく、ずらっとならんだ彼女らの胸に目が・・・(ぁ、いやいや)、いったい何人いたんだろう、と感じますよ。
このてんこ盛り映像、全編にもうバンバンでてきまして、「HERO」で感じた色の洪水はここでは+(プラス)数の洪水です。
「重陽節」の為に宮殿の中庭に恐ろしい数の金色の花(たぶんマリーゴールド)の植木鉢を並べるのですが、花の絨毯どころか花の地面。生やした方が早くね?と思ったりして。
実はその花のカーペット上で戦い(壮大壮絶)が行われ、金色は踏みにじられ血に染まり、めちゃめちゃになるのですが、終戦すると、「さっきの争いのことはキミら見てないでしょ?知らないでしょ?知るわけないよねー。(待機してたんだから)」って数の人が館から飛び出してきて、「あっ」という間に死体を片し、水を流し箒で掃き、花をまた並べる。うげースゴー。
ちょっと魚の市場を思い出しちゃいました。朝一でバンバンならぶお魚さん。解体され、場内は血だらけ~、のあとホースで水撒いて綺麗にしてますよね、あんな感じののスケール大々々版ですか。(たとえ悪くてスミマセン)
映像のスケールは字面には非常にしづらいのですが、前出の「HERO」「LOVERS」に続く、武侠三部作の最終作だそう、二作品を見た方は想像しやすいかも。スケールUPしたイーモウ監督の映像マジックをご堪能あれ。
話は、王はその昔、出世の為第一王子の母を捨て今の王妃と政略結婚。しかし愛は枯れ、第一王子と王妃は不倫。それを知った王が王妃を病死させるべくじわじわと毒薬をもっている。それは承知で、時を見計らい企てを練る王妃、実子の第二王子を世継ぎにと思案する。影からすべてを盗み見る第三王子、的なドロドロ度100の、愛憎劇なんで、感想はあまりいらぬかと。そこはイーモウ監督、しっかり武術も魅せますよ。
大魔神のような金色の鎧で目を見開くユンファと、簪だらけで金色のつけ爪で口元を隠しながら毒入り薬を飲み干す(で、お茶碗をぞんざいに返す)コン・リーのド迫力合戦が見もの。
ぁぁ、ビンボーでもささやかな愛のある庶民の生活がいーわなー、と感じる、子孫死に絶え(新しい奥さん貰うだけでしょうけど)の悲惨なお話です。
でも、ちょっとあの女官の格好はしてみたい。
「王妃の紋章」@映画生活
by bijomaru0330am | 2008-04-04 23:45 | 試写会