「結婚しようよ」を観る
2008年 01月 18日
全編吉田拓郎の唄でつづる、R45指定(ギャグです)「結婚しようよ」を観てきました。
試写に先立ち、主演俳優の三宅裕二さんと真野響子さん、監督の佐々部清氏によるトークショウがあり、この“R45”についてのお話が聞けました。
R45とは映倫の指定だと「45歳未満お断り」となる訳なんですが(これでは私は観にいけない)佐々部さんは「最近オトナが観られる映画がないよ。拓郎isマイハート!いつかは彼の曲で映画をつくりたい!(←文言は私の造語)」って思っていて、自分と同じ世代(監督は58年生)が楽しめるオトナな作品を自分がダメなら後輩を脅しても(←これも誇張ね)作りたかったそうなんです。だから、是非にも45歳以上のオトナの皆さんへ・・・と、いう愛情の形なんですねー。観終わってよぉっくそのハート感じましたよ、監督。
↓、ネタバレはビー・マイナーで。
香取卓(三宅裕二)は、50歳半ばの不動産屋のサラリーマン。妻・幸子(真野響子)と女子大生の2人の娘を持つ。毎日決まった時間に自宅に帰り、家族4人夕食の食卓を囲むことで家族の絆を築いてきた、と自負のある卓が、駅前公園で拓郎を唄うバンドの音に心奪われる。それは学生だった70年代にフォーク歌手を目指していたからだ。
いまどき家族全員が揃って食べる家があるのか!ぁ・・・それ、うち(実家)です。はい。
今でも実家に帰れば全員一緒(父さんは定年してるけど)に「いただきます」です。これは実家のルールです、勿論父さんが決めました。絶対です。
駅前公園で出会った青年・充(金井勇太)に、そんな家庭があるのかと疑われ、その疑問を晴らすべく夕食に招くのですが、これをきっかけに年齢的にも自立の時期に来ていた娘二人にも変化がみられ、父の権威「夕飯は全員揃う」に揺らぎが。妻にもいつまでも一緒じゃないのよ、なんて意味深な言葉も言われ・・・。
我が家の場合、部活で遅くなる場合とかは「特別措置=母の口添え」でしたが、父は機嫌が悪かったです。とても楽しい一家団欒でしたが、いちいち不機嫌なる父が面倒くさかったりも・・・(笑)。
映画見ていて「(うちと)おんなじ。」と可笑しくなってしまったのですが、我が家の方が間違いなくクラシック(年代が)なので、香取家の娘達(詩織と歌織)がどんな風に“団欒を放棄”していくのかちょっと興味が。
充は神戸の震災で両親を亡くし、蕎麦職人になるべく修行の身。崩壊した神戸の自宅は蕎麦屋で自分も蕎麦屋を開きたいのだ。
これは・・・禁じ手なのでは?と思っちゃいました。ちょっと充に同情って言うか、悪い印象は持てないんですよね、観客は。充役の金井くんは吉岡秀隆さんに似た感じの気の弱さそうな好青年なのでいい人とは感じるんですけ、なんかずる~い、と思いました。
この充を長女の詩織(家庭的でおっとり)が好いて、お付き合いをし始め、次女の歌織(焼酎大好き!)は父親に似たのかバンド活動をしているがライブハウスのオーディションを受けて合格するのだ。
で、中ノ森BANDのメンバーが出てくるのです。歌織ちゃん役がAYAKOちゃんです。
なんかのトーク番組(「グータン」かな?)で明るいぶっとびな中にも礼儀正しいAYAKOちゃんをみかけ、演技もいけるのか?と思っていましたが、本人のまんまだったような気が(笑)しました、いや良かったですよ。
詩織も歌織も一生懸命お父さんに事情を話して(泣けますよー「お父さんに許して貰わないと・・・」ってねー)、判って貰おうとするのに卓はどうしてもなんだか自分の築いてきたものが壊れちゃいそうで駄々っ子みたいに怒る(スネる)んです。
一昔前だったら(我が家かな?)お母さんがじっくり娘達を説得して、お父さんに根回ししてから‘旅立ち’を示唆しますが、これは現代っ子とR45の家族なんで、真野さん演じる幸子(演技しなかったそうです‘地’なんですって)はすっぱりあっさり言い放って同性としては気持ちよい位。年齢的に近い(この中ではねー)ので一番共感出来ました。
詩織の純真な恋愛、歌織の唄う懐かしいラインナップ(拓郎&キャンディーズ)。要所要所で聞かせる演出(監督は全編音楽にした、って言ってました)で、いちいちグッときます。
因みに私は拓郎は「?」です、知ってますし嫌いじゃないですが、誰かといえばオフコースの方がささります。
歌織の働くライブハウスは卓の昔組んでいた相方の榊(岩城滉一)の店で、その昔ボーイをしていた丸山(モト冬樹)も登場、喉と腕も披露します。
卓と幸子が結婚したいきさつも回想で出てくるし、完全に観ている観客(R45・・・しつこい?)の実体験とリンクすること間違いなし。卓の栄転という名の配置換え(リストラ?)も絡み、仕事で知り合った老齢の菊島夫妻(松方弘樹)の人生の語りも入ったりナンカして、泣かせる泣かせる。
R45世代の心はわしづかみの作品です。
個人的にはラスト15分の「これでもか!こうだ、それっ」と畳み掛ける涙線刺激演出には「もーいーっ」と感じましたが、R45世代(しつこい?)にはほとんどの方が何かしら自分と被る何かがあって、ハンカチぐちゃぐちゃになるの必須と思います。
監督さんが言っていたように、R45世代の親御さんを持つ若者諸君に家族一緒に観て貰いたいです、勿論対象年齢外でも充分楽しめて、ティッシュが要りましたよ。
「結婚しようよ」@映画生活
試写に先立ち、主演俳優の三宅裕二さんと真野響子さん、監督の佐々部清氏によるトークショウがあり、この“R45”についてのお話が聞けました。
R45とは映倫の指定だと「45歳未満お断り」となる訳なんですが(これでは私は観にいけない)佐々部さんは「最近オトナが観られる映画がないよ。拓郎isマイハート!いつかは彼の曲で映画をつくりたい!(←文言は私の造語)」って思っていて、自分と同じ世代(監督は58年生)が楽しめるオトナな作品を自分がダメなら後輩を脅しても(←これも誇張ね)作りたかったそうなんです。だから、是非にも45歳以上のオトナの皆さんへ・・・と、いう愛情の形なんですねー。観終わってよぉっくそのハート感じましたよ、監督。
↓、ネタバレはビー・マイナーで。
香取卓(三宅裕二)は、50歳半ばの不動産屋のサラリーマン。妻・幸子(真野響子)と女子大生の2人の娘を持つ。毎日決まった時間に自宅に帰り、家族4人夕食の食卓を囲むことで家族の絆を築いてきた、と自負のある卓が、駅前公園で拓郎を唄うバンドの音に心奪われる。それは学生だった70年代にフォーク歌手を目指していたからだ。
いまどき家族全員が揃って食べる家があるのか!ぁ・・・それ、うち(実家)です。はい。
今でも実家に帰れば全員一緒(父さんは定年してるけど)に「いただきます」です。これは実家のルールです、勿論父さんが決めました。絶対です。
駅前公園で出会った青年・充(金井勇太)に、そんな家庭があるのかと疑われ、その疑問を晴らすべく夕食に招くのですが、これをきっかけに年齢的にも自立の時期に来ていた娘二人にも変化がみられ、父の権威「夕飯は全員揃う」に揺らぎが。妻にもいつまでも一緒じゃないのよ、なんて意味深な言葉も言われ・・・。
我が家の場合、部活で遅くなる場合とかは「特別措置=母の口添え」でしたが、父は機嫌が悪かったです。とても楽しい一家団欒でしたが、いちいち不機嫌なる父が面倒くさかったりも・・・(笑)。
映画見ていて「(うちと)おんなじ。」と可笑しくなってしまったのですが、我が家の方が間違いなくクラシック(年代が)なので、香取家の娘達(詩織と歌織)がどんな風に“団欒を放棄”していくのかちょっと興味が。
充は神戸の震災で両親を亡くし、蕎麦職人になるべく修行の身。崩壊した神戸の自宅は蕎麦屋で自分も蕎麦屋を開きたいのだ。
これは・・・禁じ手なのでは?と思っちゃいました。ちょっと充に同情って言うか、悪い印象は持てないんですよね、観客は。充役の金井くんは吉岡秀隆さんに似た感じの気の弱さそうな好青年なのでいい人とは感じるんですけ、なんかずる~い、と思いました。
この充を長女の詩織(家庭的でおっとり)が好いて、お付き合いをし始め、次女の歌織(焼酎大好き!)は父親に似たのかバンド活動をしているがライブハウスのオーディションを受けて合格するのだ。
で、中ノ森BANDのメンバーが出てくるのです。歌織ちゃん役がAYAKOちゃんです。
なんかのトーク番組(「グータン」かな?)で明るいぶっとびな中にも礼儀正しいAYAKOちゃんをみかけ、演技もいけるのか?と思っていましたが、本人のまんまだったような気が(笑)しました、いや良かったですよ。
詩織も歌織も一生懸命お父さんに事情を話して(泣けますよー「お父さんに許して貰わないと・・・」ってねー)、判って貰おうとするのに卓はどうしてもなんだか自分の築いてきたものが壊れちゃいそうで駄々っ子みたいに怒る(スネる)んです。
一昔前だったら(我が家かな?)お母さんがじっくり娘達を説得して、お父さんに根回ししてから‘旅立ち’を示唆しますが、これは現代っ子とR45の家族なんで、真野さん演じる幸子(演技しなかったそうです‘地’なんですって)はすっぱりあっさり言い放って同性としては気持ちよい位。年齢的に近い(この中ではねー)ので一番共感出来ました。
詩織の純真な恋愛、歌織の唄う懐かしいラインナップ(拓郎&キャンディーズ)。要所要所で聞かせる演出(監督は全編音楽にした、って言ってました)で、いちいちグッときます。
因みに私は拓郎は「?」です、知ってますし嫌いじゃないですが、誰かといえばオフコースの方がささります。
歌織の働くライブハウスは卓の昔組んでいた相方の榊(岩城滉一)の店で、その昔ボーイをしていた丸山(モト冬樹)も登場、喉と腕も披露します。
卓と幸子が結婚したいきさつも回想で出てくるし、完全に観ている観客(R45・・・しつこい?)の実体験とリンクすること間違いなし。卓の栄転という名の配置換え(リストラ?)も絡み、仕事で知り合った老齢の菊島夫妻(松方弘樹)の人生の語りも入ったりナンカして、泣かせる泣かせる。
R45世代の心はわしづかみの作品です。
個人的にはラスト15分の「これでもか!こうだ、それっ」と畳み掛ける涙線刺激演出には「もーいーっ」と感じましたが、R45世代(しつこい?)にはほとんどの方が何かしら自分と被る何かがあって、ハンカチぐちゃぐちゃになるの必須と思います。
監督さんが言っていたように、R45世代の親御さんを持つ若者諸君に家族一緒に観て貰いたいです、勿論対象年齢外でも充分楽しめて、ティッシュが要りましたよ。
「結婚しようよ」@映画生活
by bijomaru0330am | 2008-01-18 23:45 | 試写会