「椿三十郎」を観る
2007年 11月 22日
東宝・角川、むっちゃ超入魂!のTHE・日本映画、黒澤監督・不朽の名作が現代に蘇った!!織田裕二主演、「椿三十郎」を観てきました。
・・・ちょっとシビれたっす。ちょんまげサイコー!
ワタクシ実はオリジナルは未見。1962年って先日鑑賞した「ヘアスプレー」の時代よね。その時代に‘もっとも愛されていたヒーロー像’ってどんなよ、と実はちょっと思ったりなんかして。
正直、「昔だからね、ちょんまげの無頼ってのがカッコ良かったんでしょうーけど、今では一ジャンルに過ぎない、極一部ウケなんじゃん?」と穿った見解で試写に臨みました。
試写冒頭、監督以下主演俳優がぞろっとそろった挨拶(ラッキー)があり、密かにファンの松山ケンイチ君が、「オリジナルと比べられても仕方ないけど、時代を超えても変わらないものがある、逆に時代が違うから表現が変わっている部分もある。」的なコメントをしたのが、ちょっと気になりつつ(ファンだからではなく~)の鑑賞です。
↓ここからネタバレ、斬り捨て御免。
ある藩のとある社殿、藩に仕える9人の若侍達が上司の汚職・不正を知り密談中。この不正を暴く為立ち上がったまでは良いが、所詮若者。初心上に逆に罠にはまり、絶体絶命の危機にさらされた。その時一人の浪人が現れ、九人のピンチを救ったのだ。風体風貌飄々としつつも眼光鋭く、腕も立つ。その男の名は「椿三十郎」という。
なんだか松山君のコメント判った感じがしました、不偏なのですね、「椿三十郎」って。
織田さん格好良かったです、「侍」「チャンバラ」ってばっかじゃなく、人間味っていうか、椿三十郎の風格というか性格というか無頼な感じが織田さんにぴったりだったです。最近スタイリッシュな感じが多かったけど、「踊る~」以前の熱い(今も「世界陸上」ではアツい)感じの織田裕二が復活したって感じ。でも古臭い感じは全くなかったです。心地良く楽しめました。
とにかく揃いもそろった役者もヨカッタです。
9人の若侍のリーダー井坂伊織に松山ケンイチ、その従姉妹の千鳥に鈴木杏、その母・家老の睦田夫人、中村玉緒。この二人育ちの良さか天然なのか、テンポもぬるく、イラっとさえするマイペースな役どころを見事に演じていました(玉緒さんは‘地’かも)。
さて敵方は、懐刀・室戸半兵衛はトヨエツ。当然カッコいい。姿もいい。“悪・スリーアミーゴス”といっても過言でない「茶室の三悪人」には風間杜夫・小林念侍・西岡徳馬。この御三人は殺陣が上手いので個人的には見たかったけど、茶室でのコミカルな悪巧み談義に徹する。ちょっと残念、いやいや十分豪華。
すっトボケのスパイスに佐々木蔵之助の「押入れ侍」、これなんかもういい味どこじゃないんですよね、全体の味付けには必須ですよ、他の8人の若侍やお女中達なんかもきっちり色分けされ、ただの脇役ではなかったですね。演技もちゃんとしていて、芸達者しか出ていませんでした。
9人の若侍が窮地に落ち、初めはちょっとだけ助け舟をだした三十郎。
この世間知らず'sは、「飛んで火にいるなんとやら」で、初心(うぶ)。で、ほっとけないほど本当に純真。で、乗りかかった舟!って、人肌脱ぐ。
その雛っこ達と策を練る様はちょっと‘将棋の手’を考えているみたいでした。こっちも先を読みますが、相手も先を読んで来る。既に駒を取られてる(家老は罪をなすりつける為に三悪人の手中に)段から指す訳だから、まず「歩」の9人を「金」にしないとしょうがないのですけど、手駒は少ないし、「歩」のくせに気持ちは急くので‘へま’もして。それを三十郎が、呆れながらも付き合って、指南する訳です。
思うに、家老夫人に例えられた「抜き身(鞘に入っていない刀)の様な」自分の真逆にいる9人に同情などではない、魅力を感じたのでしょう。自分には持ち得ない何というか‘擦れてない’感じに。この辺りは武士の心意気も感じました。
持ち前の腕で、見事な殺陣も見せますし、ラスト自分と類を同じくする、室戸との立ち会いはうるさいチャンバラファンをも唸らせるシーンとなっています。
ところどころにちりばめられた、現代向けの笑いのツボも嫌味無く、まさにお正月映画にぴったりな老若男女、万人に楽しんで頂ける作品と思いました。
「椿三十郎」@映画生活
・・・ちょっとシビれたっす。ちょんまげサイコー!
ワタクシ実はオリジナルは未見。1962年って先日鑑賞した「ヘアスプレー」の時代よね。その時代に‘もっとも愛されていたヒーロー像’ってどんなよ、と実はちょっと思ったりなんかして。
正直、「昔だからね、ちょんまげの無頼ってのがカッコ良かったんでしょうーけど、今では一ジャンルに過ぎない、極一部ウケなんじゃん?」と穿った見解で試写に臨みました。
試写冒頭、監督以下主演俳優がぞろっとそろった挨拶(ラッキー)があり、密かにファンの松山ケンイチ君が、「オリジナルと比べられても仕方ないけど、時代を超えても変わらないものがある、逆に時代が違うから表現が変わっている部分もある。」的なコメントをしたのが、ちょっと気になりつつ(ファンだからではなく~)の鑑賞です。
↓ここからネタバレ、斬り捨て御免。
ある藩のとある社殿、藩に仕える9人の若侍達が上司の汚職・不正を知り密談中。この不正を暴く為立ち上がったまでは良いが、所詮若者。初心上に逆に罠にはまり、絶体絶命の危機にさらされた。その時一人の浪人が現れ、九人のピンチを救ったのだ。風体風貌飄々としつつも眼光鋭く、腕も立つ。その男の名は「椿三十郎」という。
なんだか松山君のコメント判った感じがしました、不偏なのですね、「椿三十郎」って。
織田さん格好良かったです、「侍」「チャンバラ」ってばっかじゃなく、人間味っていうか、椿三十郎の風格というか性格というか無頼な感じが織田さんにぴったりだったです。最近スタイリッシュな感じが多かったけど、「踊る~」以前の熱い(今も「世界陸上」ではアツい)感じの織田裕二が復活したって感じ。でも古臭い感じは全くなかったです。心地良く楽しめました。
とにかく揃いもそろった役者もヨカッタです。
9人の若侍のリーダー井坂伊織に松山ケンイチ、その従姉妹の千鳥に鈴木杏、その母・家老の睦田夫人、中村玉緒。この二人育ちの良さか天然なのか、テンポもぬるく、イラっとさえするマイペースな役どころを見事に演じていました(玉緒さんは‘地’かも)。
さて敵方は、懐刀・室戸半兵衛はトヨエツ。当然カッコいい。姿もいい。“悪・スリーアミーゴス”といっても過言でない「茶室の三悪人」には風間杜夫・小林念侍・西岡徳馬。この御三人は殺陣が上手いので個人的には見たかったけど、茶室でのコミカルな悪巧み談義に徹する。ちょっと残念、いやいや十分豪華。
すっトボケのスパイスに佐々木蔵之助の「押入れ侍」、これなんかもういい味どこじゃないんですよね、全体の味付けには必須ですよ、他の8人の若侍やお女中達なんかもきっちり色分けされ、ただの脇役ではなかったですね。演技もちゃんとしていて、芸達者しか出ていませんでした。
9人の若侍が窮地に落ち、初めはちょっとだけ助け舟をだした三十郎。
この世間知らず'sは、「飛んで火にいるなんとやら」で、初心(うぶ)。で、ほっとけないほど本当に純真。で、乗りかかった舟!って、人肌脱ぐ。
その雛っこ達と策を練る様はちょっと‘将棋の手’を考えているみたいでした。こっちも先を読みますが、相手も先を読んで来る。既に駒を取られてる(家老は罪をなすりつける為に三悪人の手中に)段から指す訳だから、まず「歩」の9人を「金」にしないとしょうがないのですけど、手駒は少ないし、「歩」のくせに気持ちは急くので‘へま’もして。それを三十郎が、呆れながらも付き合って、指南する訳です。
思うに、家老夫人に例えられた「抜き身(鞘に入っていない刀)の様な」自分の真逆にいる9人に同情などではない、魅力を感じたのでしょう。自分には持ち得ない何というか‘擦れてない’感じに。この辺りは武士の心意気も感じました。
持ち前の腕で、見事な殺陣も見せますし、ラスト自分と類を同じくする、室戸との立ち会いはうるさいチャンバラファンをも唸らせるシーンとなっています。
ところどころにちりばめられた、現代向けの笑いのツボも嫌味無く、まさにお正月映画にぴったりな老若男女、万人に楽しんで頂ける作品と思いました。
「椿三十郎」@映画生活
by bijomaru0330am | 2007-11-22 23:45 | 試写会