「Little DJ 小さな恋の物語」を観る
2007年 11月 14日
ジャニーズ以外でTVや映画で大活躍するローティーンといえば、その筆頭は‘神木クン’。その彼が主演の「Little DJ 小さな恋の物語」を観てきました。
劇中に彩る70年代のヒット曲はその昔、私の年上の姉妹達は勿論、私も全曲耳にしたことがあり、懐かしくてほろりとさせられる作品でした。
1977年の函館、12歳の太郎(神木隆之介)は王選手がいつホームラン王になるか気になる野球少年。ラジオで野球実況をきき、アナウンサーのマネをしながら素振りをする。12歳にはちょっとオトナな深夜の音楽番組「サウンドエクスプレス」も大のお気に入りで、DJの真似事もしたりして。そんな太郎は最近体調がいまひとつ。授業中に何度も鼻血を出してしまい、母の妹が看護婦をする海辺の病院に入院することになった。
77年、中学一年の設定の太郎。私は小学生だった。あの頃「病院に行く」っての、なんか緊張したっけ。身の置き所がナイっていうか、なんだか怖くてイヤだった。今ほど病院って身近なものではなかったし。
太郎も初めちょっと緊張&興味津々の様子。なんか自分は関係ないって風。重症の外科患者(包帯でグルグル巻でストレッチャーに乗っていた)をみて、「ミイラ!」なんて今の時代だったら名誉毀損で訴えられるよー。
↓ここからネタバレあり。
入院生活はツマらいもの。太郎のお父さん(石黒賢)が正真正銘の亭主関白で、大事な跡取り・・・じゃないけど、個室入院なのです(結構金持ちかも)。唯一の暇つぶしは昼休みの音楽くらい。
そんなある日、ふと思いついて昼の放送をしているところへ探検にいった。そこは院長先生の書斎兼放送室。勝手に部屋の中をいじる太郎。その様子を大(おお)先生(原田芳雄)が見ていた。
実はワタクシ、小・中学と放送係。もちろんアナウンサー(なぜ勿論?)でしたー。
例えば、炎天下や極寒の校庭朝礼を放送室の中から皆とは反対方向を向いて過ごす(へへ)。昼休みは、お盆に給食を載せ、放送室移動。先生のいない部屋で食べる給食もサイコーだった!勿論、皆がすぐに帰れる日に16時の‘下校放送当番’になれば、悪さをした訳でなくても‘お残り’だ。・・・今でもセリフはみんな言える。
「全校の皆さん、四時です。下校の時間です、帰りましょう。・・・教室の窓は閉めましたか?忘れ物はないですか?・・・校庭で遊んでいる皆さん、帰りましょう。午後、四時になりました、本日の放送はこれで終了致します。・・・N○○○(ローマ字で学校の略を言う)。」^^
楽しかったし話すのが大好きで、将来はラジオ局のアナウンサーになって交通情報を読んでみたかった。(実際は交通情報は道路交通情報センターの人がアナウンスするんですけどね。)
ぁ、自分の懐かし話はいいですね、えっと、太郎のDJぶりをみた大先生は、治療の一環として、昼の音楽を流す時間に太郎に番組を持たせるんです。それが結構クサいんですが、いいんですよね~、あの時代のヒット曲がかかるんですが、大先生の書斎には天井までだ~っとレコードが棚になって入っていて、趣味がいいの。昔はどの家にもレコードががっつりはいった棚がありませんでしたか?我が家は家族全員音楽好きなので、引越しなんかで詰め込むレコードはもう‘人殺し’(笑)が出来そうな重さでした。
また、話がそれちゃった・・・コホン、神木クンって声もいいの。劇中「いい声ねえ」って褒められるところがあるのですが、うんうん、と思います。
段々院内にこの放送も浸透し、一人ぼっちだった太郎は小児病棟の子と仲良くなったり(そこにミイラちゃんも入院中だった!)、気持ちの張りが病状の回復の助けになったりします。それがまた太郎をちょっとオトナにさせ、個室部屋から大人の大部屋に移ったり、ミイラちゃん・・・実は一つ年上のたまきちゃん(福田麻由子)という女の子で、この子に太郎はほのかな恋心を抱く訳ですな。
「眠れないよー」なんてベットに一緒に入って深夜ラジオを一緒に聞く。ヘッドフォンなんてカッコいいものじゃなくてイヤフォーンで。短いちゅうのっ!ちょっと甘酸っぱい。
太郎のに優しく声をかけてくれる患者さん、その息子さんでちょっとロックやってる?みたいなお兄さん、無愛想でとっつきにくい元ダム現場工夫の患者さん、ちっとも口も利かないおばあちゃんの患者さん。、病院って確かに病の人の集まるところではあるんですが、ただ病人っていうんじゃなくて、その人々の人生が見えきて、それぞれ励ましたり、太郎の声に曲に励まされたり。病で人生の一部分を制限されている、なんかこう共有する「何か」があって、小さなこのDJに閉鎖的なこんな四角い部屋でも人生をしっかり経験させるし、見守ってくれるのです。そんな感じがヨカッタです。大先生や息子の若先生、看護婦さんの様子もヨカッタ。
この作品の時代77年頃って、いい時代だったかも。まだまだ医療は未熟な時期でしたが、個人情報や病院での患者管理など、現在では色々言われそうな事柄が大らかで。
最近身内の見舞いに大きな綺麗な病院に行ったのですが、無機質で冷たい印象を受けたのは、この話が映画で、私が親戚へ感情移入しているから、だけではないように思いました。
もはや叙情的な作品は「ALWAYS」的な時代設定でないと作れないのかも。
さて、ミイラのたまきちゃんは結構ひどい交通事故だったそうですが、外科的な症状なので治るんですよ。で、退院します。でも太郎は・・・白血病だったんです。あの時代ちょっと完治はまだ難しい病気の一つですよねー。
段々状態が厳しくなっていて、昼のDJも中止。みんなが心配します。それでも何とかDJがしたくて無菌室の中からラジカセにセリフを録音します。励ましてくれるみんなにお礼のDJです。お父さんがSONYのラジカセ(多分うちにあったのと同じだなー)買ってきてくれるの。13歳の誕生祝にって。・・・泣かせてくれます。
初めは病気の事を話してもらっていない太郎なんですが、12歳なんで気づきますよね。元気なたまきちゃんと思い出作りがしたくって、病院を抜け出して大変な事になったりします。
お母さん(西田尚美)って、ずっとなんか遠慮して引っ込んでいるって言うか、厳しいお父さんの影を踏まない、って感じの人なんですが、たまきちゃんをこの時「パンッ」ってビンタするんです。ちょっとハートが痛かった。
まぁ結末は・・・(是非劇場で)・・・なんですが、そんな子供の時の思い出が深く胸に刻まれて、たまきちゃんは大人になってFMラジオ局にお勤めしているんです。でも担当番組はぱっとしなくて、休止になっちゃう。そこに偶然ですが代替に「サウンドエキスプレス」が期間限定で復活!(DJは小林克也さんなの、私にとっても神様みたいな人だぁ)
で、たまきちゃんが太郎君にリクエストした楽曲を、時を越えて太郎君がもう自分ではDJ出来ないからって、って葉書を書ていたのを発見リクエストします。・・・大泣きです。
泣き所押さえまくりの作品でしたが、欲をいえばたまきちゃんは大きくなったら、広末ちゃんになるんじゃくて、なっちゃんの田中麗奈ちゃんになるんじゃないのかなー、なんて。
別に広末ちゃんキライじゃないけどね!
「Little DJ 小さな恋の物語」@映画生活
劇中に彩る70年代のヒット曲はその昔、私の年上の姉妹達は勿論、私も全曲耳にしたことがあり、懐かしくてほろりとさせられる作品でした。
1977年の函館、12歳の太郎(神木隆之介)は王選手がいつホームラン王になるか気になる野球少年。ラジオで野球実況をきき、アナウンサーのマネをしながら素振りをする。12歳にはちょっとオトナな深夜の音楽番組「サウンドエクスプレス」も大のお気に入りで、DJの真似事もしたりして。そんな太郎は最近体調がいまひとつ。授業中に何度も鼻血を出してしまい、母の妹が看護婦をする海辺の病院に入院することになった。
77年、中学一年の設定の太郎。私は小学生だった。あの頃「病院に行く」っての、なんか緊張したっけ。身の置き所がナイっていうか、なんだか怖くてイヤだった。今ほど病院って身近なものではなかったし。
太郎も初めちょっと緊張&興味津々の様子。なんか自分は関係ないって風。重症の外科患者(包帯でグルグル巻でストレッチャーに乗っていた)をみて、「ミイラ!」なんて今の時代だったら名誉毀損で訴えられるよー。
↓ここからネタバレあり。
入院生活はツマらいもの。太郎のお父さん(石黒賢)が正真正銘の亭主関白で、大事な跡取り・・・じゃないけど、個室入院なのです(結構金持ちかも)。唯一の暇つぶしは昼休みの音楽くらい。
そんなある日、ふと思いついて昼の放送をしているところへ探検にいった。そこは院長先生の書斎兼放送室。勝手に部屋の中をいじる太郎。その様子を大(おお)先生(原田芳雄)が見ていた。
実はワタクシ、小・中学と放送係。もちろんアナウンサー(なぜ勿論?)でしたー。
例えば、炎天下や極寒の校庭朝礼を放送室の中から皆とは反対方向を向いて過ごす(へへ)。昼休みは、お盆に給食を載せ、放送室移動。先生のいない部屋で食べる給食もサイコーだった!勿論、皆がすぐに帰れる日に16時の‘下校放送当番’になれば、悪さをした訳でなくても‘お残り’だ。・・・今でもセリフはみんな言える。
「全校の皆さん、四時です。下校の時間です、帰りましょう。・・・教室の窓は閉めましたか?忘れ物はないですか?・・・校庭で遊んでいる皆さん、帰りましょう。午後、四時になりました、本日の放送はこれで終了致します。・・・N○○○(ローマ字で学校の略を言う)。」^^
楽しかったし話すのが大好きで、将来はラジオ局のアナウンサーになって交通情報を読んでみたかった。(実際は交通情報は道路交通情報センターの人がアナウンスするんですけどね。)
ぁ、自分の懐かし話はいいですね、えっと、太郎のDJぶりをみた大先生は、治療の一環として、昼の音楽を流す時間に太郎に番組を持たせるんです。それが結構クサいんですが、いいんですよね~、あの時代のヒット曲がかかるんですが、大先生の書斎には天井までだ~っとレコードが棚になって入っていて、趣味がいいの。昔はどの家にもレコードががっつりはいった棚がありませんでしたか?我が家は家族全員音楽好きなので、引越しなんかで詰め込むレコードはもう‘人殺し’(笑)が出来そうな重さでした。
また、話がそれちゃった・・・コホン、神木クンって声もいいの。劇中「いい声ねえ」って褒められるところがあるのですが、うんうん、と思います。
段々院内にこの放送も浸透し、一人ぼっちだった太郎は小児病棟の子と仲良くなったり(そこにミイラちゃんも入院中だった!)、気持ちの張りが病状の回復の助けになったりします。それがまた太郎をちょっとオトナにさせ、個室部屋から大人の大部屋に移ったり、ミイラちゃん・・・実は一つ年上のたまきちゃん(福田麻由子)という女の子で、この子に太郎はほのかな恋心を抱く訳ですな。
「眠れないよー」なんてベットに一緒に入って深夜ラジオを一緒に聞く。ヘッドフォンなんてカッコいいものじゃなくてイヤフォーンで。短いちゅうのっ!ちょっと甘酸っぱい。
太郎のに優しく声をかけてくれる患者さん、その息子さんでちょっとロックやってる?みたいなお兄さん、無愛想でとっつきにくい元ダム現場工夫の患者さん、ちっとも口も利かないおばあちゃんの患者さん。、病院って確かに病の人の集まるところではあるんですが、ただ病人っていうんじゃなくて、その人々の人生が見えきて、それぞれ励ましたり、太郎の声に曲に励まされたり。病で人生の一部分を制限されている、なんかこう共有する「何か」があって、小さなこのDJに閉鎖的なこんな四角い部屋でも人生をしっかり経験させるし、見守ってくれるのです。そんな感じがヨカッタです。大先生や息子の若先生、看護婦さんの様子もヨカッタ。
この作品の時代77年頃って、いい時代だったかも。まだまだ医療は未熟な時期でしたが、個人情報や病院での患者管理など、現在では色々言われそうな事柄が大らかで。
最近身内の見舞いに大きな綺麗な病院に行ったのですが、無機質で冷たい印象を受けたのは、この話が映画で、私が親戚へ感情移入しているから、だけではないように思いました。
もはや叙情的な作品は「ALWAYS」的な時代設定でないと作れないのかも。
さて、ミイラのたまきちゃんは結構ひどい交通事故だったそうですが、外科的な症状なので治るんですよ。で、退院します。でも太郎は・・・白血病だったんです。あの時代ちょっと完治はまだ難しい病気の一つですよねー。
段々状態が厳しくなっていて、昼のDJも中止。みんなが心配します。それでも何とかDJがしたくて無菌室の中からラジカセにセリフを録音します。励ましてくれるみんなにお礼のDJです。お父さんがSONYのラジカセ(多分うちにあったのと同じだなー)買ってきてくれるの。13歳の誕生祝にって。・・・泣かせてくれます。
初めは病気の事を話してもらっていない太郎なんですが、12歳なんで気づきますよね。元気なたまきちゃんと思い出作りがしたくって、病院を抜け出して大変な事になったりします。
お母さん(西田尚美)って、ずっとなんか遠慮して引っ込んでいるって言うか、厳しいお父さんの影を踏まない、って感じの人なんですが、たまきちゃんをこの時「パンッ」ってビンタするんです。ちょっとハートが痛かった。
まぁ結末は・・・(是非劇場で)・・・なんですが、そんな子供の時の思い出が深く胸に刻まれて、たまきちゃんは大人になってFMラジオ局にお勤めしているんです。でも担当番組はぱっとしなくて、休止になっちゃう。そこに偶然ですが代替に「サウンドエキスプレス」が期間限定で復活!(DJは小林克也さんなの、私にとっても神様みたいな人だぁ)
で、たまきちゃんが太郎君にリクエストした楽曲を、時を越えて太郎君がもう自分ではDJ出来ないからって、って葉書を書ていたのを発見リクエストします。・・・大泣きです。
泣き所押さえまくりの作品でしたが、欲をいえばたまきちゃんは大きくなったら、広末ちゃんになるんじゃくて、なっちゃんの田中麗奈ちゃんになるんじゃないのかなー、なんて。
別に広末ちゃんキライじゃないけどね!
「Little DJ 小さな恋の物語」@映画生活
by bijomaru0330am | 2007-11-14 23:45 | 試写会