「河童のクゥと夏休み」を観る
2007年 07月 12日
世のお母様方が、「絶ぇ対ぃぃに見せたくありません!」とお怒りになる筆頭与力(ぁ、ついオヤジギャグ。)・TVアニメは=「クレヨンしんちゃん」。ですが、映画のしんちゃんは映画になると、文化庁の大賞を受賞するほど感動作になるらしい。
その監督さんだった原恵一さんの新作「河童のクゥと夏休み」を観てきました。
さて・・・「河童」って、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
私は子供の時に、自然が一杯のところで育ち、海も川も山もあって民話なんかも豊富な田舎に暮らしていたので、滝つぼの深いところで水遊び(危ない!)をすると、河童にお○りの穴から手を突っ込まれて、内臓を食われる(!!)とか聞いていました。(あくまで民話とかなんとかで・・・、あしからず)・・・つまり“怖い”生き物。
実際、この世の中に突如現れてしまった河童のクゥちゃんは・・・皆が可愛い可愛い言うけど、あんまり可愛くナイ(と思う)。でも・・・見終わるころには‘可愛い’と思ってしまうかも。‘可愛い’と思わなくても‘愛いヤツ’とは思えます。
↓ここからちょっとネタばれあり。
小学高学年の上原康一が、地元の川沿いで足をつまづいた‘石’に河童のクゥは閉じ込められていた。昔々お侍の時代に、父ちゃん(父河童)を亡くしたその日、大地震が来て地割れに閉じ込められたのだ。
見た事もない、言葉を喋る河童に驚きあわてる上原一家。でも心根の優しい家族(特に父)は世話することに。周り近所には秘密にして。しかし生きてるクゥ(初めの一言めが「クゥ」だったから命名」のことが人々に知られない訳がない。段々と噂が広がり大騒ぎに。やむえずTV番組に出ないといけなくなったクゥ達。そこに、昔々死に別れた父ちゃんの‘腕’のミイラを持つ人も現れて・・・。
夏休みに何を(子供と映画)観ようか、と迷っている親御さんに検討の予知ありの作品。
お子様向けなのか大人向けなのか判らない派手な描写やディ○ニーのきらびやかさに辟易している方、なんかにはいいかもです。
偶然クゥを見つけた康一の家族は、極々普通の感覚の持ち主なんです。昨今家庭崩壊が叫ばれ、子供はやれ塾だ受験だ、ママはアンチエイジングだヨガだ、パパは出世命で家庭を顧みない・・・とかは全くない(それが悪いといっている訳ではありません)、極々フツーの家族がおりなす生活なんです。
‘河童を飼う’ではなく‘居候させている’感覚、ううん‘同居’とか‘家族’に近い関係。
また、人物設定や環境設定がとても細かく、丁寧で親近感があり、子供と一緒に見ていて説明できる現実的な描き方にも好感がもてます。
クゥが何100年も地底に閉じ込められていたことにより、体力がなくなっちゃっていたことを心配して、みんなで精をつけさせようとご飯をあげたり、運動させたりするシーンは微笑ましくて、ついついニコニコしてしまいます。
康一には幼稚園児の妹・瞳がいて、その瞳が家族がクゥに気をとられるのにやきもちを焼き、何かとクゥにいじわるしたりするのに、お母さんの友佳里(声:西田尚美)が明るくいさめたり教えたりするのもいい。何よりお父さん・保雄(声:ココリコ田中)が人がいいのか、気弱なのか、とても素敵なキャラクターで、「あんなお父さんとお母さんなら、素直な元気なよい子に育つよね」と思える感じがいいです。
その他、クゥの事に絡んで、思春期を迎える康一と、なんとなく独りぼっちにしているクラスメイトの女子・菊池さんの話(この菊池さんに嫌がらせする女子’sっぽい子が実際の最近多いと感じるのは私だけ?)や、上原家の番犬・おっさんの話などちょっと皆で考えようか、と思えるサイドストーリーもあります。
クゥの河童仲間がどこかに生息していないか、河童の里として知られる宮城の遠野に康一と二人旅をするシーン、昔はあんなとこに夏休みに出掛けたなぁとしみじみとしてしまいました。
冒頭にも書きましたが、幼少の頃はひどく田舎に住んでいたので、お弁当と水筒をもって、家族で沢遊び(沢蟹捕まえる!)をして川の石で流れを止めて水筒と果物(プラム!)を冷やしておいたり(春にはぜんまい採りしたり)したんです。何時間に一本しかないバスに乗りはぐって、見知らぬ地元のカップルの車に同乗させて貰ったりして(しかも4人も)とても楽しかった。
今でこそ‘色白’で知られる私(!)も、あの頃は劇中の菊池さんや康一みたいにこんがり日焼けしていたモノです。
最近ないナチュラルな作品ですが、ちょっと怖いかな、と思うシーンが二箇所あります。
日頃あまり惨いシーンをみてない(みせてない)感受性の強いお子様にはショックかもしれません。多分未就学の女の子ちゃんだと思うおチビちゃんが、わーっと泣いていましたから(おチビちゃんにはとても怖くて可哀想に思えたのでしょう)。
また、クゥが晒し者にされ、沢山の人々に追い掛け回され一斉に携帯カメラを向けられシーンは、傍から見てちょっと恐怖。ハリウッド俳優が嫌がるのも判りますね。
現代っぽい表現もありますが、全体的に見易い(お子さん達も2時間17分の長尺にも静かに鑑賞していました)秀作と思います。
人間のひとりよがりに恥ずかしく思い、自然の大切さに痛感してください。素直な気持ちで率直に見てほしい。
さて、河童。
想像上の生き物、と思いますか?私は怖い生き物と思っていましたが、クゥちゃんでちょっとイメージが変わりました。それから、私は今はいなくなっちゃったかもしれないけど、昔は「いた。」と思っているクチです。(ハリポだったらマーピープルなのよ、きっと。)
「河童のクゥと夏休み」@映画生活
その監督さんだった原恵一さんの新作「河童のクゥと夏休み」を観てきました。
さて・・・「河童」って、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
私は子供の時に、自然が一杯のところで育ち、海も川も山もあって民話なんかも豊富な田舎に暮らしていたので、滝つぼの深いところで水遊び(危ない!)をすると、河童にお○りの穴から手を突っ込まれて、内臓を食われる(!!)とか聞いていました。(あくまで民話とかなんとかで・・・、あしからず)・・・つまり“怖い”生き物。
実際、この世の中に突如現れてしまった河童のクゥちゃんは・・・皆が可愛い可愛い言うけど、あんまり可愛くナイ(と思う)。でも・・・見終わるころには‘可愛い’と思ってしまうかも。‘可愛い’と思わなくても‘愛いヤツ’とは思えます。
↓ここからちょっとネタばれあり。
小学高学年の上原康一が、地元の川沿いで足をつまづいた‘石’に河童のクゥは閉じ込められていた。昔々お侍の時代に、父ちゃん(父河童)を亡くしたその日、大地震が来て地割れに閉じ込められたのだ。
見た事もない、言葉を喋る河童に驚きあわてる上原一家。でも心根の優しい家族(特に父)は世話することに。周り近所には秘密にして。しかし生きてるクゥ(初めの一言めが「クゥ」だったから命名」のことが人々に知られない訳がない。段々と噂が広がり大騒ぎに。やむえずTV番組に出ないといけなくなったクゥ達。そこに、昔々死に別れた父ちゃんの‘腕’のミイラを持つ人も現れて・・・。
夏休みに何を(子供と映画)観ようか、と迷っている親御さんに検討の予知ありの作品。
お子様向けなのか大人向けなのか判らない派手な描写やディ○ニーのきらびやかさに辟易している方、なんかにはいいかもです。
偶然クゥを見つけた康一の家族は、極々普通の感覚の持ち主なんです。昨今家庭崩壊が叫ばれ、子供はやれ塾だ受験だ、ママはアンチエイジングだヨガだ、パパは出世命で家庭を顧みない・・・とかは全くない(それが悪いといっている訳ではありません)、極々フツーの家族がおりなす生活なんです。
‘河童を飼う’ではなく‘居候させている’感覚、ううん‘同居’とか‘家族’に近い関係。
また、人物設定や環境設定がとても細かく、丁寧で親近感があり、子供と一緒に見ていて説明できる現実的な描き方にも好感がもてます。
クゥが何100年も地底に閉じ込められていたことにより、体力がなくなっちゃっていたことを心配して、みんなで精をつけさせようとご飯をあげたり、運動させたりするシーンは微笑ましくて、ついついニコニコしてしまいます。
康一には幼稚園児の妹・瞳がいて、その瞳が家族がクゥに気をとられるのにやきもちを焼き、何かとクゥにいじわるしたりするのに、お母さんの友佳里(声:西田尚美)が明るくいさめたり教えたりするのもいい。何よりお父さん・保雄(声:ココリコ田中)が人がいいのか、気弱なのか、とても素敵なキャラクターで、「あんなお父さんとお母さんなら、素直な元気なよい子に育つよね」と思える感じがいいです。
その他、クゥの事に絡んで、思春期を迎える康一と、なんとなく独りぼっちにしているクラスメイトの女子・菊池さんの話(この菊池さんに嫌がらせする女子’sっぽい子が実際の最近多いと感じるのは私だけ?)や、上原家の番犬・おっさんの話などちょっと皆で考えようか、と思えるサイドストーリーもあります。
クゥの河童仲間がどこかに生息していないか、河童の里として知られる宮城の遠野に康一と二人旅をするシーン、昔はあんなとこに夏休みに出掛けたなぁとしみじみとしてしまいました。
冒頭にも書きましたが、幼少の頃はひどく田舎に住んでいたので、お弁当と水筒をもって、家族で沢遊び(沢蟹捕まえる!)をして川の石で流れを止めて水筒と果物(プラム!)を冷やしておいたり(春にはぜんまい採りしたり)したんです。何時間に一本しかないバスに乗りはぐって、見知らぬ地元のカップルの車に同乗させて貰ったりして(しかも4人も)とても楽しかった。
今でこそ‘色白’で知られる私(!)も、あの頃は劇中の菊池さんや康一みたいにこんがり日焼けしていたモノです。
最近ないナチュラルな作品ですが、ちょっと怖いかな、と思うシーンが二箇所あります。
日頃あまり惨いシーンをみてない(みせてない)感受性の強いお子様にはショックかもしれません。多分未就学の女の子ちゃんだと思うおチビちゃんが、わーっと泣いていましたから(おチビちゃんにはとても怖くて可哀想に思えたのでしょう)。
また、クゥが晒し者にされ、沢山の人々に追い掛け回され一斉に携帯カメラを向けられシーンは、傍から見てちょっと恐怖。ハリウッド俳優が嫌がるのも判りますね。
現代っぽい表現もありますが、全体的に見易い(お子さん達も2時間17分の長尺にも静かに鑑賞していました)秀作と思います。
人間のひとりよがりに恥ずかしく思い、自然の大切さに痛感してください。素直な気持ちで率直に見てほしい。
さて、河童。
想像上の生き物、と思いますか?私は怖い生き物と思っていましたが、クゥちゃんでちょっとイメージが変わりました。それから、私は今はいなくなっちゃったかもしれないけど、昔は「いた。」と思っているクチです。(ハリポだったらマーピープルなのよ、きっと。)
「河童のクゥと夏休み」@映画生活
by bijomaru0330am | 2007-07-12 23:45 | 試写会