「レッスン!」を観る
2007年 07月 03日
実在した(今作はまだまだご健在!)人を演じるとなると、いかに‘その人’に似ているか(顔つきや仕草、声あたりでしょうか)という事が注目されますが・・・、至極個人的な意見として、この作品は‘ハート’が似ているとでもいいましょうか。イイ男代表、アントニオ・バンデラス主演「レッスン!」を観てきました。
最近、アニメなどはベツとして、血生臭い作品や考えさせられる作品が多いように感じていたので、ここまで「逆R15♪」状態の健全な青春映画は汚れたオトナの私は結末も見えみえ~で、スポ根でもない、ラブコメでもない青春映画、健全な学園モノは精神的に楽でした。
バンデラス演じる主人公のピエール・デュレイン氏はこの映画の為に先日来日、社交ダンス界のワールドカップ、「ブラックプール」で4年も、しかも連続で優勝しているモノ凄い方だそうで、真面目に社交ダンスをしている人なら知らない人はいないのでは。今では後輩の指導は勿論、ダンスに縁のない子供達にも課外授業として指導、功績の多い方なのだそうです。
最近では日テレの「ウリナリ!」で芸能人社交ダンス部(これ好きな人は今作お勧め~)が気をはき、ビックリするくらい前衛的な振り付けと芸能人の「芸の力」で視る者を感動させてきた(!?)事はまだまだ記憶に新しい(結構まだまだingですしね)ですよね。アノ芸能人達を指導していらした先生方、厳しい中にもソフトで品よく、我慢強くて褒め上手でした。これは社交ダンス界のカラーなのでしょうか、劇中のバンデラスもまさにそう、「叱咤激励」の“叱咤”無しのイメージ、生徒を褒めて育てるジェントルマンでしたよ。
↓ここからネタバレ
(っていっても事実のアレンジ・ストーリー、大どんでん返しはないのよ)
ピエール(バンデラス)はひょんな事から公立高校の落ちこぼれロック(ロブ・ブラウン)と顔見知りになる。ロックの通う高校に出向いたピエールは、荒んだ様子の学校をみて課外プログラムとして社交ダンスを教える、と申し出る。日頃から落ちこぼれ生徒と優秀な生徒の差別をして来た校長(アルフレ・ウッダード)は、紳士な態度のピエールの誠意を受け止めることもせず、厄介払いが出来た、とロック達落ちこぼれメンバーの課外授業を押し付けた。学校地下の‘空きスペース’に居たのはロック達、ヒップホップダンスしか知らないちょっとスネた学生達だった。
登下校に金属探知機チェックやボディチェックがある様子をみると、自分の高校時代を思うとビックリしますが、「荒れた様子の高校」といっても今時分のアメリカの公立高校ではフツーの様子なのではないでしょうか?これも至極個人的な意見ですが、近い将来「子供の身を守るため」といったアメリカとは少々方向性の違った意味で、我が国の学び舎でも金属探知機の設置はそう遠いことではないのではないか、と思います。
そこの落ちこぼれ・・・っといってもカワイイもんなんです。(最近エグイ作品観すぎかな)
不良、とは言いがたい。確かに、「していること」は法に‘触れて’そう。しかし、今作ではそういった部分はあまり詳しく描かず、しかも結果どうなったか、という部分もカット。総じて「ちょっとワルさした」印象だけです。それより、片親の子というだけで偏見視されている子、親が大酒飲みで仕事をしないからお金に困っている子、といった身近な格差問題がある学生・・・の方がフューチャーされています。
大体、ピエールがいかに紳士的な態度で応じても、心底‘腐った’ヤツは社交ダンスなんてしないってー(笑)。課外を受けないとちゃんと卒業出来ない(のは困る!)って思っているくらいの根はいい子ばかりの集団なのでしぶしぶピエールの言いなりに(笑×2)なりダンスの稽古をします。
さてこの高校生達。あまり知った顔(某SPEEDのなんとかチャンに似た子がいたー)はいません。アメリカ本土では人気があるのでしょうか、HPを観ると、最近いい興行を残した「ステップアップ」(未見)の主演の子とかいるみたいですが、だからかむっちゃダンスは巧い!メンバーはブラック系が大多数ですが・イエロー(韓国系?)・ラテン系美女、といったダウンタウンにみられるアメリカの縮図のような人選でした。
このメンバーを見る限り、日本の若手も語学さえ(それも大丈夫かも)クリアすれば互角にイケるんじゃん?と感じました。(但し、ダンスは・・・スゴい!)
その彼らがバンデラスと共演するのですから、緊張したし勉強になったでしょうねー。
バンデラスはいつものマリアッチ的情熱はダンスのみに爆発、抑えた演技で素敵でした。
そのダンスシーンを情熱的に踊ったパートナー、いわゆるイジワル・キャラ(金髪)のモーガン(カティア・ヴァーシラス)ちゃんは世界ランキング20位のホンマもんダンサー(巧いハズ!)。彼ら若手は皆今回の作品で成長出来たのではないのでしょうか。
そろそろNewスターの欲しいハリウッド、ここから誰かが抜きん出るやも知れません。
話の方はそうヒネリは無いんですよ。
スネたメンバーが、「幸せな先生にはボクらの気持ちなんて解からないぃ!」・・・な~んてお決まりのセリフを言ったりして、ここで「先生だっていろいろ・・・(ワルだった!?)」とか来るかと思いきや(実際ピエールさんは少年時代から名ダンザーだったので過去はナイのです)、そう深く先生の事も語られず(現実いらっしゃるからね)ー。偏見校長&PTAもソフトなピエールさんにメロメロになっちゃうし。ダンスをやるなら結果「コンテストに出よう!」となって、エントリーフィーが工面出来ない、衣装も用意できない・・・のも、み~んなピエールさんが面倒見るし、イジワル・モーガンちゃんもそうイジワルではないし。
まま、「現実に居る」人と事実のアレンジメント・ストーリーなので(だから?)、「無難に無難に。」的な感じがしなくもないし、オチは「ウリナリ」も真っ青な展開です。
しかしながら兎に角、ダンスは凄いので、最近なにかと話題の異・コラボレーション、ヒップホップ×社交ダンス、‘その業界・ずっと一筋’では生きられない昨今、バイタリティ溢れる若モノドラマもいいかも。です。
「レッスン!」@映画生活
最近、アニメなどはベツとして、血生臭い作品や考えさせられる作品が多いように感じていたので、ここまで「逆R15♪」状態の健全な青春映画は汚れたオトナの私は結末も見えみえ~で、スポ根でもない、ラブコメでもない青春映画、健全な学園モノは精神的に楽でした。
バンデラス演じる主人公のピエール・デュレイン氏はこの映画の為に先日来日、社交ダンス界のワールドカップ、「ブラックプール」で4年も、しかも連続で優勝しているモノ凄い方だそうで、真面目に社交ダンスをしている人なら知らない人はいないのでは。今では後輩の指導は勿論、ダンスに縁のない子供達にも課外授業として指導、功績の多い方なのだそうです。
最近では日テレの「ウリナリ!」で芸能人社交ダンス部(これ好きな人は今作お勧め~)が気をはき、ビックリするくらい前衛的な振り付けと芸能人の「芸の力」で視る者を感動させてきた(!?)事はまだまだ記憶に新しい(結構まだまだingですしね)ですよね。アノ芸能人達を指導していらした先生方、厳しい中にもソフトで品よく、我慢強くて褒め上手でした。これは社交ダンス界のカラーなのでしょうか、劇中のバンデラスもまさにそう、「叱咤激励」の“叱咤”無しのイメージ、生徒を褒めて育てるジェントルマンでしたよ。
↓ここからネタバレ
(っていっても事実のアレンジ・ストーリー、大どんでん返しはないのよ)
ピエール(バンデラス)はひょんな事から公立高校の落ちこぼれロック(ロブ・ブラウン)と顔見知りになる。ロックの通う高校に出向いたピエールは、荒んだ様子の学校をみて課外プログラムとして社交ダンスを教える、と申し出る。日頃から落ちこぼれ生徒と優秀な生徒の差別をして来た校長(アルフレ・ウッダード)は、紳士な態度のピエールの誠意を受け止めることもせず、厄介払いが出来た、とロック達落ちこぼれメンバーの課外授業を押し付けた。学校地下の‘空きスペース’に居たのはロック達、ヒップホップダンスしか知らないちょっとスネた学生達だった。
登下校に金属探知機チェックやボディチェックがある様子をみると、自分の高校時代を思うとビックリしますが、「荒れた様子の高校」といっても今時分のアメリカの公立高校ではフツーの様子なのではないでしょうか?これも至極個人的な意見ですが、近い将来「子供の身を守るため」といったアメリカとは少々方向性の違った意味で、我が国の学び舎でも金属探知機の設置はそう遠いことではないのではないか、と思います。
そこの落ちこぼれ・・・っといってもカワイイもんなんです。(最近エグイ作品観すぎかな)
不良、とは言いがたい。確かに、「していること」は法に‘触れて’そう。しかし、今作ではそういった部分はあまり詳しく描かず、しかも結果どうなったか、という部分もカット。総じて「ちょっとワルさした」印象だけです。それより、片親の子というだけで偏見視されている子、親が大酒飲みで仕事をしないからお金に困っている子、といった身近な格差問題がある学生・・・の方がフューチャーされています。
大体、ピエールがいかに紳士的な態度で応じても、心底‘腐った’ヤツは社交ダンスなんてしないってー(笑)。課外を受けないとちゃんと卒業出来ない(のは困る!)って思っているくらいの根はいい子ばかりの集団なのでしぶしぶピエールの言いなりに(笑×2)なりダンスの稽古をします。
さてこの高校生達。あまり知った顔(某SPEEDのなんとかチャンに似た子がいたー)はいません。アメリカ本土では人気があるのでしょうか、HPを観ると、最近いい興行を残した「ステップアップ」(未見)の主演の子とかいるみたいですが、だからかむっちゃダンスは巧い!メンバーはブラック系が大多数ですが・イエロー(韓国系?)・ラテン系美女、といったダウンタウンにみられるアメリカの縮図のような人選でした。
このメンバーを見る限り、日本の若手も語学さえ(それも大丈夫かも)クリアすれば互角にイケるんじゃん?と感じました。(但し、ダンスは・・・スゴい!)
その彼らがバンデラスと共演するのですから、緊張したし勉強になったでしょうねー。
バンデラスはいつものマリアッチ的情熱はダンスのみに爆発、抑えた演技で素敵でした。
そのダンスシーンを情熱的に踊ったパートナー、いわゆるイジワル・キャラ(金髪)のモーガン(カティア・ヴァーシラス)ちゃんは世界ランキング20位のホンマもんダンサー(巧いハズ!)。彼ら若手は皆今回の作品で成長出来たのではないのでしょうか。
そろそろNewスターの欲しいハリウッド、ここから誰かが抜きん出るやも知れません。
話の方はそうヒネリは無いんですよ。
スネたメンバーが、「幸せな先生にはボクらの気持ちなんて解からないぃ!」・・・な~んてお決まりのセリフを言ったりして、ここで「先生だっていろいろ・・・(ワルだった!?)」とか来るかと思いきや(実際ピエールさんは少年時代から名ダンザーだったので過去はナイのです)、そう深く先生の事も語られず(現実いらっしゃるからね)ー。偏見校長&PTAもソフトなピエールさんにメロメロになっちゃうし。ダンスをやるなら結果「コンテストに出よう!」となって、エントリーフィーが工面出来ない、衣装も用意できない・・・のも、み~んなピエールさんが面倒見るし、イジワル・モーガンちゃんもそうイジワルではないし。
まま、「現実に居る」人と事実のアレンジメント・ストーリーなので(だから?)、「無難に無難に。」的な感じがしなくもないし、オチは「ウリナリ」も真っ青な展開です。
しかしながら兎に角、ダンスは凄いので、最近なにかと話題の異・コラボレーション、ヒップホップ×社交ダンス、‘その業界・ずっと一筋’では生きられない昨今、バイタリティ溢れる若モノドラマもいいかも。です。
「レッスン!」@映画生活
by bijomaru0330am | 2007-07-03 23:45 | 試写会