「インサイド・マン」を観る
2006年 06月 01日
TVの宣伝フィルムで観た方の多くが感じていると思いますが、かなり豪華な出演陣の今作、否が応でも期待が大きいですよね。それは得なのか損なのか。
銀行強盗ダルトン=クライブ・オーウェン
刑事で交渉人フレイジャー=デンゼル・ワシントン
敏腕弁護士ホワイト=ジョディ・フォスター
どうしても頭脳戦が繰り広げられ、ドンパチ・アクションも華麗に(これは私の好み)、高笑いや叫び声(人質は叫んでましたよ)、カーアクションなんかもあり?なーんて勝手に想像してしまいがちですが、さにあらず。
宣伝フィルムのイメージを鵜呑みにしてはイケナイ作品でした。
(・・・ちょっとネタばれ)
初めからただの銀行強盗ではない雰囲気・・・は持った始まりでした。
ダルトンは冷静で、どうみても金目当てではない感じ。この銀行の何が彼の「本命」なのか?
案の定、強盗に入られた信託銀行の会長が密かに敏腕女弁護士(実は鼻持ちならないヤーな女、の様子)に頼みごとをする。
一方、この事件の交渉人となった刑事は、同業者の恋人の不出来な弟のせいでいろいろと困った立場でありつつも、この事件を足場に出世を狙っている。(コイツも食えない)
正義の味方的な人物は実は一人もいません(と、思う)。
みんな利己主義な自分至上主義なところがあります。‘大人’な考えの持ち主なので、言動も行動もドライだし、その為には動かせるモノはなんでも使うし、利用する。
(会話も何気ないことや色っぽい内容、シリアスな場面の会話までキレイな言葉はあまり出てきません、お子様にはかなり不向き)
ここまでで、「うわ~ハズレかな・・・」と感じてしまった私。
まず2時間8分の中でだらだらとした印象(始まって30~40分位か)を受ける部分があり、ちょっと“ダレ”るのです。
(じゃあ短くまとめればいいか、といえば、2時間切ると物足りない作品になりそうだし。)
私がやっと気合が入って見始めたのはジョディ演じるホワイトが強盗・クライブと交渉の為話すシーンから。(やっぱり上手い!この二人)
銀行強盗の手段として皆同じ格好をしています。
(おっとここまで!その先書くとツマラない)
そのシーンが多いのでなんとなく強盗メインに考えかちですが、それはセンテンスの一部にすぎないのです。
どうもそればかりに気が引かれるのですが(それが監督の狙いかも)、結局強盗事件はすっきりとは“かた”はつかない。(っていうかつけない)
クライブの強盗はまぁイメージ通りですが、出世欲満々の刑事・デンゼルはヤーなデカで、頭イイのか悪いのか、何時ものインテリな誠実な紳士なイメージのデンゼルではない(スーツはイイの着てるけど)です。
ジョディもムカつく感じの女で「金!命」と彫ってる?みたいな弁護士です。
終盤、若干正義感(単に事件を解決したいというデカの職業病かな)をかりたたされるフレイジャーの行動で少しメリハリがつきます。
大体今まで映画の中の話が綺麗ごと過ぎてきたからでしょうか、「まま本来警察も弁護士もあんなモンかも」と思えちゃう人間の性(さが)丸出しに感じます。
人種差別的な表現や多国籍国家アメリカを皮肉っているような部分(アルメニアとアルバニアの違い、解りますか?)も山盛りで、あげく正直すっきりしない方向で話は終わるんです。
ホントに終っちゃうー。
おまけに最期は見ている者の想像力を要求されるので、観終わり直後は達成感のナイ感じを受けちゃいました。
ただ・・・今思うと、そんな人物像を激しい演技で表現しないでみせるのはこれだけの俳優でないと無理なのかもしれない、と感じました。じっくり魅せる作品ではありました。
それに、「本命」に係わることはかなり難しい解釈を要求されるので「見ている貴方のご想像で」は仕方ないのかも。
・・・・スパイク・リー監督、やっぱ侮れない。
しかし、興行は・・・あんまりウケないかもですね~、DVDでじっくり見るほうがオススメな一本でしょう。
「インサイド・マン」公式HP
http://www.insideman.jp/index.php
「インサイド・マン@映画生活」
http://www.eigaseikatu.com/title/15359/
銀行強盗ダルトン=クライブ・オーウェン
刑事で交渉人フレイジャー=デンゼル・ワシントン
敏腕弁護士ホワイト=ジョディ・フォスター
どうしても頭脳戦が繰り広げられ、ドンパチ・アクションも華麗に(これは私の好み)、高笑いや叫び声(人質は叫んでましたよ)、カーアクションなんかもあり?なーんて勝手に想像してしまいがちですが、さにあらず。
宣伝フィルムのイメージを鵜呑みにしてはイケナイ作品でした。
(・・・ちょっとネタばれ)
初めからただの銀行強盗ではない雰囲気・・・は持った始まりでした。
ダルトンは冷静で、どうみても金目当てではない感じ。この銀行の何が彼の「本命」なのか?
案の定、強盗に入られた信託銀行の会長が密かに敏腕女弁護士(実は鼻持ちならないヤーな女、の様子)に頼みごとをする。
一方、この事件の交渉人となった刑事は、同業者の恋人の不出来な弟のせいでいろいろと困った立場でありつつも、この事件を足場に出世を狙っている。(コイツも食えない)
正義の味方的な人物は実は一人もいません(と、思う)。
みんな利己主義な自分至上主義なところがあります。‘大人’な考えの持ち主なので、言動も行動もドライだし、その為には動かせるモノはなんでも使うし、利用する。
(会話も何気ないことや色っぽい内容、シリアスな場面の会話までキレイな言葉はあまり出てきません、お子様にはかなり不向き)
ここまでで、「うわ~ハズレかな・・・」と感じてしまった私。
まず2時間8分の中でだらだらとした印象(始まって30~40分位か)を受ける部分があり、ちょっと“ダレ”るのです。
(じゃあ短くまとめればいいか、といえば、2時間切ると物足りない作品になりそうだし。)
私がやっと気合が入って見始めたのはジョディ演じるホワイトが強盗・クライブと交渉の為話すシーンから。(やっぱり上手い!この二人)
銀行強盗の手段として皆同じ格好をしています。
(おっとここまで!その先書くとツマラない)
そのシーンが多いのでなんとなく強盗メインに考えかちですが、それはセンテンスの一部にすぎないのです。
どうもそればかりに気が引かれるのですが(それが監督の狙いかも)、結局強盗事件はすっきりとは“かた”はつかない。(っていうかつけない)
クライブの強盗はまぁイメージ通りですが、出世欲満々の刑事・デンゼルはヤーなデカで、頭イイのか悪いのか、何時ものインテリな誠実な紳士なイメージのデンゼルではない(スーツはイイの着てるけど)です。
ジョディもムカつく感じの女で「金!命」と彫ってる?みたいな弁護士です。
終盤、若干正義感(単に事件を解決したいというデカの職業病かな)をかりたたされるフレイジャーの行動で少しメリハリがつきます。
大体今まで映画の中の話が綺麗ごと過ぎてきたからでしょうか、「まま本来警察も弁護士もあんなモンかも」と思えちゃう人間の性(さが)丸出しに感じます。
人種差別的な表現や多国籍国家アメリカを皮肉っているような部分(アルメニアとアルバニアの違い、解りますか?)も山盛りで、あげく正直すっきりしない方向で話は終わるんです。
ホントに終っちゃうー。
おまけに最期は見ている者の想像力を要求されるので、観終わり直後は達成感のナイ感じを受けちゃいました。
ただ・・・今思うと、そんな人物像を激しい演技で表現しないでみせるのはこれだけの俳優でないと無理なのかもしれない、と感じました。じっくり魅せる作品ではありました。
それに、「本命」に係わることはかなり難しい解釈を要求されるので「見ている貴方のご想像で」は仕方ないのかも。
・・・・スパイク・リー監督、やっぱ侮れない。
しかし、興行は・・・あんまりウケないかもですね~、DVDでじっくり見るほうがオススメな一本でしょう。
「インサイド・マン」公式HP
http://www.insideman.jp/index.php
「インサイド・マン@映画生活」
http://www.eigaseikatu.com/title/15359/
by bijomaru0330am | 2006-06-01 23:45 | 試写会