「コクリコ坂から」を観る
2011年 07月 14日
皆様、すっかりご無沙汰でございます。
お暑ぅございます、紫です。
「試写会あたんない。」といいつつ、過ごしていたら7月。すっかり夏です。
「節電」(流行語大賞とるんじゃないの、対抗馬は「メルトダウン」。ww)の夏です。
(キンチョーの夏風で)
久しぶりの試写はジブリの新作「コクリコ坂から」を観てきました。私はどうもジブリ作品とは相性がよく、人に先んじて鑑賞させて頂く事が多いです(感謝)。
‘夏’真っ盛り、今回の宮崎作品は、いまの季節に良く似合う海の見える昔の横浜のお話でした。アラウンド・シックスティ(60歳からまり)の皆さんがノスタルジーを感じるお話で、都会の流行が10~15年は遅れでやってくるド・田舎に幼少のみぎり住んでいた自分には、うっすらぼんやり知ってるかな・・・な生活感が溢れる‘貧乏だが希望があった’時代の話。
↓ ここからネタバレ少々ありかなー。
昔の少女マンガ「なかよし」に掲載があったらしいので、知っている人も多いのでは?
主人公の海(声:長澤まさみ)は坂の上にある洋館で下宿を営む家の子。
父は既に他界し、祖母は居るけど、母は不在かち(訳は書くまい)。1才年下の妹とまだ中学の弟は甘ったれで役に立たないので、ひとり女将の風情で朝から朝食を何人分も作る。気のいい下宿人(みな女性)や、学校に行く間世話してくれるお手伝いさんの助けもあるが、朝から晩までよく働く高校二年生だ。
その海が、毎日毎朝することは、庭にある掲揚塔(・・・で、いいんだっけ?)に信号旗を揚げること。風にはためくその旗は海原を行く船々によく見えた。
海が、朝誰よりの早く起き、長い髪をお下げ(今風にいうとツインテールね)にし、寝押ししたセーラーのスカートを敷布団から抜き取る姿は、幼少の時によく見ていた私の長姉に似ている。
勿論私も中学・高校と制服のスカートを寝押しをしていたが(中学は車ひだのスカートで往生した)、姉ちゃんがしていた、というのが私の記憶の中では一番しっくりする。
しかも私の姉ちゃんは、三姉妹の一番上らしく、しっかりしていて海の様によく家事を手伝っていた。さしずめ私は弟の様な感じ。劇中の子は食欲旺盛で下宿人の目玉焼きまで貰って食べるこだが、幼い時の私は好き嫌いが激しく、時には味噌汁と漬物しか食べられるモノがないおかずの時もあったりした。
ま、そんな私の昔話はいいとして・・・。
ご飯は釜で焚き、洗濯機の脱水はローラー式。時代は1963年頃らしい。
(因みに私は生まれていないよ)
翌年に東京オリンピックを控えた日本はなんなく昔と現代の境目で、活気があってでも戦争の傷もまだ残っている、「幕末」みたいな時期だったと思う。
舗装されていないデコボコ道を行くオート三輪をみて、懐かしく思う年齢はもう老齢の仲間入りの方々だろう。(私も一回位しかホンモノを見たことがない。)
兎に角なんでも昇り調子の時代で、皆が自分のすることをまっすぐ一生懸命みつめて生きて行けた時代だったんだろうと思う。「いい時代」といえばそうなんだろうし、「昔の話」といえばそんなんだろう。60歳以上の方々にはノスタルジー満々載々で「オールウェーズ3丁目」のアニメ版的な印象。しかし、我々の世代以下の歳の鑑賞者はどの辺に感動したらいいのかしらん。
元来ジブリの作品にはロマンとかファンタジーがある。この作品にも無い訳ではない。
‘悪いひと’が出てくる訳でもないし、主人公にとっては苦しい現実(但し見るものには些細なことだったりする)があって、それを周りの‘いい人’達の支えを貰って乗り越える、爽やかな風の吹くジブリ・カラーがバッチリのいい話だったんですけど。
絵は勿論綺麗で素晴らしく、音楽も声優(俳優さんね)も豪華で流石の域。
映画館によく置いてあるB5サイズのフライヤーにはこの作品のための覚書が面々と書かれている。
少女マンガに連載されてそうヒット作にはならなかったらしいこの作品をあえてアニメ化した作者の意図をそこから私は読み取りかねた。
現代と過去とを比べたアンチテーゼか、年齢を問わないノスタルジーか。
単に海という少女の純粋な素直な生き方と、それを取り巻く環境を味わうのがいいのか。新聞部の青年との恋や、学校敷地にある取り壊しが決まった‘部室’(洋館)を守ろうとする若き血潮に共感や好感をもてばいいのか。
ま、あまり穿って見るのもナンだ、無粋だ。
私は、
‘寝押し’や、いまや新聞配達でもあまり見なくなった‘荷台の広い自転車’や、ガリ版(貴方、知ってる?)でプリントを印刷するとことか、三角布とかブリキのバケツとか、校庭外れの焼却炉とか、白の三つ折ソックスとか、男子の角刈りとか、やけに偉そうに歩く校長とコバンザメの教頭(その昔は絶対権力だったし)や、天秤秤りの魚屋さん(よく御用聞きで来てたし)とか、肉屋でコロッケの買い食いとか、小さい時に黄色い買い物カゴを手にした母に連れられて見かけた風景と、ちょっとは似たようなコトを経験した自分の過去と、単純にひょこひょこ思い出に浸りながら観ていたかしら。
この作品の高校は共学。
私は女子高出身なので、この時期の男女の微妙な距離感は体験していないからナンですが、共学だったひとはもちょっと似た感覚を思い出すかも。
つまりは、ヨカッタちゅうことかしらん、このジブリも(笑)。
観た人それぞれ、ちょっとづつ感じる事が違っていいのだから、やっぱり流石なのかな、宮崎父子。
一つ言いたいのは、ベツに声優はオール俳優の必要は一切なかったかな、ということです。これはキッパリ書かせて貰お。
「コクリコ坂から」@ぴあ映画生活
お暑ぅございます、紫です。
「試写会あたんない。」といいつつ、過ごしていたら7月。すっかり夏です。
「節電」(流行語大賞とるんじゃないの、対抗馬は「メルトダウン」。ww)の夏です。
(キンチョーの夏風で)
久しぶりの試写はジブリの新作「コクリコ坂から」を観てきました。私はどうもジブリ作品とは相性がよく、人に先んじて鑑賞させて頂く事が多いです(感謝)。
‘夏’真っ盛り、今回の宮崎作品は、いまの季節に良く似合う海の見える昔の横浜のお話でした。アラウンド・シックスティ(60歳からまり)の皆さんがノスタルジーを感じるお話で、都会の流行が10~15年は遅れでやってくるド・田舎に幼少のみぎり住んでいた自分には、うっすらぼんやり知ってるかな・・・な生活感が溢れる‘貧乏だが希望があった’時代の話。
↓ ここからネタバレ少々ありかなー。
昔の少女マンガ「なかよし」に掲載があったらしいので、知っている人も多いのでは?
主人公の海(声:長澤まさみ)は坂の上にある洋館で下宿を営む家の子。
父は既に他界し、祖母は居るけど、母は不在かち(訳は書くまい)。1才年下の妹とまだ中学の弟は甘ったれで役に立たないので、ひとり女将の風情で朝から朝食を何人分も作る。気のいい下宿人(みな女性)や、学校に行く間世話してくれるお手伝いさんの助けもあるが、朝から晩までよく働く高校二年生だ。
その海が、毎日毎朝することは、庭にある掲揚塔(・・・で、いいんだっけ?)に信号旗を揚げること。風にはためくその旗は海原を行く船々によく見えた。
海が、朝誰よりの早く起き、長い髪をお下げ(今風にいうとツインテールね)にし、寝押ししたセーラーのスカートを敷布団から抜き取る姿は、幼少の時によく見ていた私の長姉に似ている。
勿論私も中学・高校と制服のスカートを寝押しをしていたが(中学は車ひだのスカートで往生した)、姉ちゃんがしていた、というのが私の記憶の中では一番しっくりする。
しかも私の姉ちゃんは、三姉妹の一番上らしく、しっかりしていて海の様によく家事を手伝っていた。さしずめ私は弟の様な感じ。劇中の子は食欲旺盛で下宿人の目玉焼きまで貰って食べるこだが、幼い時の私は好き嫌いが激しく、時には味噌汁と漬物しか食べられるモノがないおかずの時もあったりした。
ま、そんな私の昔話はいいとして・・・。
ご飯は釜で焚き、洗濯機の脱水はローラー式。時代は1963年頃らしい。
(因みに私は生まれていないよ)
翌年に東京オリンピックを控えた日本はなんなく昔と現代の境目で、活気があってでも戦争の傷もまだ残っている、「幕末」みたいな時期だったと思う。
舗装されていないデコボコ道を行くオート三輪をみて、懐かしく思う年齢はもう老齢の仲間入りの方々だろう。(私も一回位しかホンモノを見たことがない。)
兎に角なんでも昇り調子の時代で、皆が自分のすることをまっすぐ一生懸命みつめて生きて行けた時代だったんだろうと思う。「いい時代」といえばそうなんだろうし、「昔の話」といえばそんなんだろう。60歳以上の方々にはノスタルジー満々載々で「オールウェーズ3丁目」のアニメ版的な印象。しかし、我々の世代以下の歳の鑑賞者はどの辺に感動したらいいのかしらん。
元来ジブリの作品にはロマンとかファンタジーがある。この作品にも無い訳ではない。
‘悪いひと’が出てくる訳でもないし、主人公にとっては苦しい現実(但し見るものには些細なことだったりする)があって、それを周りの‘いい人’達の支えを貰って乗り越える、爽やかな風の吹くジブリ・カラーがバッチリのいい話だったんですけど。
絵は勿論綺麗で素晴らしく、音楽も声優(俳優さんね)も豪華で流石の域。
映画館によく置いてあるB5サイズのフライヤーにはこの作品のための覚書が面々と書かれている。
少女マンガに連載されてそうヒット作にはならなかったらしいこの作品をあえてアニメ化した作者の意図をそこから私は読み取りかねた。
現代と過去とを比べたアンチテーゼか、年齢を問わないノスタルジーか。
単に海という少女の純粋な素直な生き方と、それを取り巻く環境を味わうのがいいのか。新聞部の青年との恋や、学校敷地にある取り壊しが決まった‘部室’(洋館)を守ろうとする若き血潮に共感や好感をもてばいいのか。
ま、あまり穿って見るのもナンだ、無粋だ。
私は、
‘寝押し’や、いまや新聞配達でもあまり見なくなった‘荷台の広い自転車’や、ガリ版(貴方、知ってる?)でプリントを印刷するとことか、三角布とかブリキのバケツとか、校庭外れの焼却炉とか、白の三つ折ソックスとか、男子の角刈りとか、やけに偉そうに歩く校長とコバンザメの教頭(その昔は絶対権力だったし)や、天秤秤りの魚屋さん(よく御用聞きで来てたし)とか、肉屋でコロッケの買い食いとか、小さい時に黄色い買い物カゴを手にした母に連れられて見かけた風景と、ちょっとは似たようなコトを経験した自分の過去と、単純にひょこひょこ思い出に浸りながら観ていたかしら。
この作品の高校は共学。
私は女子高出身なので、この時期の男女の微妙な距離感は体験していないからナンですが、共学だったひとはもちょっと似た感覚を思い出すかも。
つまりは、ヨカッタちゅうことかしらん、このジブリも(笑)。
観た人それぞれ、ちょっとづつ感じる事が違っていいのだから、やっぱり流石なのかな、宮崎父子。
一つ言いたいのは、ベツに声優はオール俳優の必要は一切なかったかな、ということです。これはキッパリ書かせて貰お。
「コクリコ坂から」@ぴあ映画生活
by bijomaru0330am | 2011-07-14 23:45 | 試写会