「毎日かあさん」を観る
2011年 01月 29日
一月も下旬。バタバタしてたらこの作品の公開も間近になっちゃいました、‘元’夫婦共演が話題の西原恵理子原作「毎日かあさん」を観てきました。
(実は観たのは去年の12/15。レビューサボりすぎ・・・すみません)
昨今西原女史の活躍は目覚しく、ご本人のTV出演は勿論、作品のTVドラマ化・アニメ化・映画化は多々・・・。好き嫌いは別として仲々パワフルな魅力の方なので、いろいろ観てきましたが、勝手な意見、西原さんを演じた今回主演の小泉今日子さんが一番西原さんを体現出来ていたのではないか、と感じるパワーでした。
↓ここからネタばれ少々。
この作品は西原さんの半生・・・自叙伝なので、知っている方も多いでしょう。
一軒家に実家の母が同居し、小学生の息子と娘。仕事はマンガ家。
「私はこれで一家を支えている。」と言い切る「母さん」=リエコ(小泉)。仕事を持つ主婦であるには間違いない。
子供がいるんだから父親がいるんだが~・・・。ここんちの父親(カモシダ:永瀬正敏)はアルコール依存症で仕事をしていない。、っていうか、呑んじゃ馬鹿やって肝臓を悪くして入退院の繰り返し。子供が三人いるみたいだ。エリコが母さんで父さん、一家の大黒柱。・・・そんな家族がサイバラ家。
母さんの小泉今日子さんと父さんの永瀬正敏さんはそりゃ有名ですよね、元・本当の夫婦。これが良かったんでしょうか、二人の“語らない視線の演技”が凄かったです。酔っ払いの亭主は都合が悪いので妻のリエコに視線を合わせない。で、やることなすことデタラメな亭主に、バチ~ンと「男言葉」で言い放つ‘っぷり’なんて、他人じゃ出来ないと思う。
それから、実際には経産婦でないキョンキョン(小泉さんは私には‘キョンキョン’)の母親っぷりがものすっごく板についてて目を疑いました。
私の姉が、二人の姪っ子が調度劇中の子供位の歳の時期に子育てしていた様に被ってしまうくらい。(姉はね、言っちゃなんですが美人ですのよ、キョンキョンに負けない。・・・関係ないか。)
ダメ亭主だけど、子供にはかけがえのない父親で、「おとうしゃん」ってくっついて周る子供に、そんな子供にベタ惚れの亭主に、わかっちゃいるけど(ダメ亭主なんで子供にいい影響な訳ない)なんとなく優しい視線を投げかける(ちょっと諦めがちに)様子なんて、ホンモノです。
先日この作品が「子育てなんとかかんとか」の団体後援・・・かなんかの試写会のニュースを見たのですが、いや~なんでしょ、子育てって、家族って、綺麗事ではすまない現実をよくよく直視するにはホントにいい作品と思います。
毎日毎日、仕事と子育て(家事は母がしてくれても)と、ダメな亭主に24時間フル活動のリエコ。
子育て仲間とダンナのグチで気を晴らし、子供の未熟さと健気さに泣き笑い、クタクタになっても頑張れるのは、他でもない家族のお陰。アタシばっかり頑張ってる・・・・!
いや、そりゃ結局そんな家族がいるから「自分」もあるわけで。強いけど弱い「自分」を全力で演じる女優・小泉の真骨頂です。
カモシダの永瀬さんも凄い。
彼は戦場カメラマンだったトラウマから幻覚が見え精神のバランスを崩している。
ありがちの字面にしたら簡単な一行、さりとてとてつもない経験を微塵の外連味なく体現している。心身に与えた無理はカモシダに過酷な宣告を与える、その有様を俳優・永瀬が渾身に演じます。
調度同じ様な(ほとんど変わらないんジャン?)作品、永作博美主演の「目が覚めたらお家に帰ろう」も気になるところ。時間とお金に余裕のある方は見比べてみるのもいいのかも。
二人の子供達の心温まるしぐさや、日々の幸せも魅せる現代らしい作品です。
「毎日かあさん」@ぴあ映画生活
↓ここから完全ネタばれ
子供二人が、療養中の父を思い迷子になるシーン。
警察に保護され、駆けつけるリエコ。
会うなり、バチン、と兄ちゃんの頭を叩く。
わぁぁぁぁぁん、と泣く子供。
はっ、とする交番のおまわりさん。
でも、そこには親子の確実な絆があって
おまわりさんには入り込む隙間はない。
小泉今日子ってスゴイ。
サイバラは云う。
「世界中のオンナの大概がこんな‘かあさん’を毎日やってる、大そうなことではない」
いや、それは違う。
少なくとも私は違う。
大概≠自分の方程式に、ちょっとの嫌悪感と羨ましさと、諦めをも感じた作品です。
(実は観たのは去年の12/15。レビューサボりすぎ・・・すみません)
昨今西原女史の活躍は目覚しく、ご本人のTV出演は勿論、作品のTVドラマ化・アニメ化・映画化は多々・・・。好き嫌いは別として仲々パワフルな魅力の方なので、いろいろ観てきましたが、勝手な意見、西原さんを演じた今回主演の小泉今日子さんが一番西原さんを体現出来ていたのではないか、と感じるパワーでした。
↓ここからネタばれ少々。
この作品は西原さんの半生・・・自叙伝なので、知っている方も多いでしょう。
一軒家に実家の母が同居し、小学生の息子と娘。仕事はマンガ家。
「私はこれで一家を支えている。」と言い切る「母さん」=リエコ(小泉)。仕事を持つ主婦であるには間違いない。
子供がいるんだから父親がいるんだが~・・・。ここんちの父親(カモシダ:永瀬正敏)はアルコール依存症で仕事をしていない。、っていうか、呑んじゃ馬鹿やって肝臓を悪くして入退院の繰り返し。子供が三人いるみたいだ。エリコが母さんで父さん、一家の大黒柱。・・・そんな家族がサイバラ家。
母さんの小泉今日子さんと父さんの永瀬正敏さんはそりゃ有名ですよね、元・本当の夫婦。これが良かったんでしょうか、二人の“語らない視線の演技”が凄かったです。酔っ払いの亭主は都合が悪いので妻のリエコに視線を合わせない。で、やることなすことデタラメな亭主に、バチ~ンと「男言葉」で言い放つ‘っぷり’なんて、他人じゃ出来ないと思う。
それから、実際には経産婦でないキョンキョン(小泉さんは私には‘キョンキョン’)の母親っぷりがものすっごく板についてて目を疑いました。
私の姉が、二人の姪っ子が調度劇中の子供位の歳の時期に子育てしていた様に被ってしまうくらい。(姉はね、言っちゃなんですが美人ですのよ、キョンキョンに負けない。・・・関係ないか。)
ダメ亭主だけど、子供にはかけがえのない父親で、「おとうしゃん」ってくっついて周る子供に、そんな子供にベタ惚れの亭主に、わかっちゃいるけど(ダメ亭主なんで子供にいい影響な訳ない)なんとなく優しい視線を投げかける(ちょっと諦めがちに)様子なんて、ホンモノです。
先日この作品が「子育てなんとかかんとか」の団体後援・・・かなんかの試写会のニュースを見たのですが、いや~なんでしょ、子育てって、家族って、綺麗事ではすまない現実をよくよく直視するにはホントにいい作品と思います。
毎日毎日、仕事と子育て(家事は母がしてくれても)と、ダメな亭主に24時間フル活動のリエコ。
子育て仲間とダンナのグチで気を晴らし、子供の未熟さと健気さに泣き笑い、クタクタになっても頑張れるのは、他でもない家族のお陰。アタシばっかり頑張ってる・・・・!
いや、そりゃ結局そんな家族がいるから「自分」もあるわけで。強いけど弱い「自分」を全力で演じる女優・小泉の真骨頂です。
カモシダの永瀬さんも凄い。
彼は戦場カメラマンだったトラウマから幻覚が見え精神のバランスを崩している。
ありがちの字面にしたら簡単な一行、さりとてとてつもない経験を微塵の外連味なく体現している。心身に与えた無理はカモシダに過酷な宣告を与える、その有様を俳優・永瀬が渾身に演じます。
調度同じ様な(ほとんど変わらないんジャン?)作品、永作博美主演の「目が覚めたらお家に帰ろう」も気になるところ。時間とお金に余裕のある方は見比べてみるのもいいのかも。
二人の子供達の心温まるしぐさや、日々の幸せも魅せる現代らしい作品です。
「毎日かあさん」@ぴあ映画生活
↓ここから完全ネタばれ
子供二人が、療養中の父を思い迷子になるシーン。
警察に保護され、駆けつけるリエコ。
会うなり、バチン、と兄ちゃんの頭を叩く。
わぁぁぁぁぁん、と泣く子供。
はっ、とする交番のおまわりさん。
でも、そこには親子の確実な絆があって
おまわりさんには入り込む隙間はない。
小泉今日子ってスゴイ。
サイバラは云う。
「世界中のオンナの大概がこんな‘かあさん’を毎日やってる、大そうなことではない」
いや、それは違う。
少なくとも私は違う。
大概≠自分の方程式に、ちょっとの嫌悪感と羨ましさと、諦めをも感じた作品です。
by bijomaru0330am | 2011-01-29 23:45 | 試写会