「武士の家計簿」を観る
2010年 10月 25日
個人的な印象ですが、北陸の人は働き者でお財布のヒモがしっかりした方が多いような気がします。「加賀藩の御算用者(経理係)。」と聞いてきっちりした話には違いないけど主役が堺雅人ならきっとどこか和む(笑)要素が・・・と、「武士の家計簿」にはそんなイメージを持っていました。
確かにそのイメージは然程損なわれることもなく、さらに丁寧な素敵な作品に出会えた、と思っています。
↓ここからちょっとネタばれあり。
(お財布の‘中身’は余程気心が知れたヒトにだけ内訳を話しましょう。)
猪山家は代々加賀藩の御算用者(経理係)。刀ではなく算盤で生計・立身出世をしてきたお堅い家柄である。婿の父・信之(中村雅俊)の自慢は姫の輿入れで質素倹約を認められた事。祖母(草笛光子)と母・お常(松坂慶子)は本家らしく、ゆったりとどっしりとし、ほのぼぼとした家風である。が、猪山家は武家らしく身分費用がかさみ家計は「火の車」であった。そこで直之(堺)は一計を案じた。
OL時代、「経理部の〇〇さん」とか「税理士の××さん」とか聞くと、メガネをかけた遊び心のない男性(しかも黒の腕カバー掛けた)を想像していました(って、J社時代の某氏そのままだ!)。
偏見~(申し訳ないですー笑)。うんと大人になったら、こうも実直さが大事な部署もナイよね、と元・財務部(売り掛け入金担当)の私は思う(懐かしー笑)。
直之の仕事振りは城中目障りなくらいに実直・真面目そのもの。クスリと笑えます。
嫌いじゃナイですよ、私。こーゆー人。
「帳尻を合わせる」
「ご破産にする」
「算盤をはじく」・・・
人生において計算や算術を例えにする言葉は多いです。それ程(今更ですが)生きると言う事は本来しっかりと計画性が必要なんですね、そしてそうしても上手くはいかないのが人生。
人が生きていく上で「お金」はどうしても必要で(‘霞’食っては生きて行けない。)、
プライドと生計を天秤に掛け、「家」の建て直しを測った直之の並々ならぬ覚悟がちょっと私には痛い(反省の念)位でした。
なんでって、この話実話だそうで初めに「お嫁さん(直之の妻・仲間由紀恵ちゃん)偉い!」とまず感心しきり。私は倹約家ではナイが浪費家ではなく、どちらかと云えば「貯める」より「使う」のが上手な豊前の女ですので(私見あしからずー笑)。
でも愛しい人が、家族が止む得ない事情があったら、嫁入りに持ってきた訪問着も振袖も帯も処分する覚悟はありますよ!愛はお金では買えないので。
劇中、しみじみ倹約とその心を息子・直吉に説く直之。恥も外侮もなく使命を全うする息子に一抹の寂しさと頼もしさを感じる両親。夫婦の愛情、親子の葛藤。
葬式のその晩、経費と香典とを収支する直之に憤懣やるせない直吉。
しかしその真意に涙するのだ。「家族」とはいいものだ。
算盤が五玉なのが実家の母が使っていたのと同じでなんとも懐かしいというか、昔のひとは算盤上手だった(私はまったくダメ)なぁと感じます。母は買い物が済むと必ずその日のうちに家計簿を書き、月末には必ず収支を一致(今でも)させ「こうでなくてはならない。」と申しておりました。
私の身体のどこかにはきっとそういう母のきっちりしたところがあるはず(思い切り父似ですが)なので「算盤を弾き間違えない様に」そろそろきっちり計算しつつ残りの人生を生きたいと思います。
幕末、武家の本分が疑問視され始め、猪山家にも時代の風が吹く(ネタばれ内緒)。
私は幕末の混沌とした空気が好きです。女性も意見を云えるようになって来た象徴的時代だし、身分に左右されずちょっとワルい書き方すれば‘のし上げれた’。
「芸は身を助く」。
本当にことわざは意味深く、有難い。
なんでも“ひとつ”、一生懸命努力して身に着けていたら最低食べる事には欠かない人生を送れる事を再確認出来た作品でもありました。
ま、されど「人生」たかが「人生」!
「武士の家計簿」@ぴあ映画生活
確かにそのイメージは然程損なわれることもなく、さらに丁寧な素敵な作品に出会えた、と思っています。
↓ここからちょっとネタばれあり。
(お財布の‘中身’は余程気心が知れたヒトにだけ内訳を話しましょう。)
猪山家は代々加賀藩の御算用者(経理係)。刀ではなく算盤で生計・立身出世をしてきたお堅い家柄である。婿の父・信之(中村雅俊)の自慢は姫の輿入れで質素倹約を認められた事。祖母(草笛光子)と母・お常(松坂慶子)は本家らしく、ゆったりとどっしりとし、ほのぼぼとした家風である。が、猪山家は武家らしく身分費用がかさみ家計は「火の車」であった。そこで直之(堺)は一計を案じた。
OL時代、「経理部の〇〇さん」とか「税理士の××さん」とか聞くと、メガネをかけた遊び心のない男性(しかも黒の腕カバー掛けた)を想像していました(って、J社時代の某氏そのままだ!)。
偏見~(申し訳ないですー笑)。うんと大人になったら、こうも実直さが大事な部署もナイよね、と元・財務部(売り掛け入金担当)の私は思う(懐かしー笑)。
直之の仕事振りは城中目障りなくらいに実直・真面目そのもの。クスリと笑えます。
嫌いじゃナイですよ、私。こーゆー人。
「帳尻を合わせる」
「ご破産にする」
「算盤をはじく」・・・
人生において計算や算術を例えにする言葉は多いです。それ程(今更ですが)生きると言う事は本来しっかりと計画性が必要なんですね、そしてそうしても上手くはいかないのが人生。
人が生きていく上で「お金」はどうしても必要で(‘霞’食っては生きて行けない。)、
プライドと生計を天秤に掛け、「家」の建て直しを測った直之の並々ならぬ覚悟がちょっと私には痛い(反省の念)位でした。
なんでって、この話実話だそうで初めに「お嫁さん(直之の妻・仲間由紀恵ちゃん)偉い!」とまず感心しきり。私は倹約家ではナイが浪費家ではなく、どちらかと云えば「貯める」より「使う」のが上手な豊前の女ですので(私見あしからずー笑)。
でも愛しい人が、家族が止む得ない事情があったら、嫁入りに持ってきた訪問着も振袖も帯も処分する覚悟はありますよ!愛はお金では買えないので。
劇中、しみじみ倹約とその心を息子・直吉に説く直之。恥も外侮もなく使命を全うする息子に一抹の寂しさと頼もしさを感じる両親。夫婦の愛情、親子の葛藤。
葬式のその晩、経費と香典とを収支する直之に憤懣やるせない直吉。
しかしその真意に涙するのだ。「家族」とはいいものだ。
算盤が五玉なのが実家の母が使っていたのと同じでなんとも懐かしいというか、昔のひとは算盤上手だった(私はまったくダメ)なぁと感じます。母は買い物が済むと必ずその日のうちに家計簿を書き、月末には必ず収支を一致(今でも)させ「こうでなくてはならない。」と申しておりました。
私の身体のどこかにはきっとそういう母のきっちりしたところがあるはず(思い切り父似ですが)なので「算盤を弾き間違えない様に」そろそろきっちり計算しつつ残りの人生を生きたいと思います。
幕末、武家の本分が疑問視され始め、猪山家にも時代の風が吹く(ネタばれ内緒)。
私は幕末の混沌とした空気が好きです。女性も意見を云えるようになって来た象徴的時代だし、身分に左右されずちょっとワルい書き方すれば‘のし上げれた’。
「芸は身を助く」。
本当にことわざは意味深く、有難い。
なんでも“ひとつ”、一生懸命努力して身に着けていたら最低食べる事には欠かない人生を送れる事を再確認出来た作品でもありました。
ま、されど「人生」たかが「人生」!
「武士の家計簿」@ぴあ映画生活
by bijomaru0330am | 2010-10-25 23:45 | 試写会