「ラブリーボーン」を観る
2009年 12月 22日
「ラブリーボーン」は全世界でかなりの人気小説なのだそう。文字で読んだ時と今回の映像化で観た場合と、どんな印象なんだろうか。原作を知らない私だが、「きっと忠実に映像化しているんだろうな。」と感じた丁寧な作品でした。また「監督独自の‘文字’の解釈もあるんだろうな(色とりどりのあの世界)」とも思いました。
↓ここからネタばれ少々あり。
悲しみと美しさの混ざり合う不思議な気持ちは観ないと判らない。
スージー(シアーシャ・ローナン)は14歳。妹と弟がいる。誕生日にカメラを買って貰った。楽しくて嬉しくって、12本渡されたフィルムをあっという間に使い切り、ママ(レイチェル・ワイズ)に怒られた。でも、パパ(マーク・ウォールバーグ)は「一ヶ月に一本なら現像してあげる。」と約束してくれた。パパは優しい。ママは呆れ顔。家族5人・サーモン家はとっても幸せ。
本当に傍から見ていて素敵な家族で素敵な親子。パパはボトルシップを作るのが趣味でママは読書家。因みにパパのママ、リンおばあちゃん(スーザン・サランドン)はとってもオシャレで前衛的な考え。
でも、映画が始まってすぐに、スージー自身が語る。「私はスージー・サーモン。14歳で殺された。名前はスージー・サーモン、お魚みたいな名前でしょ。」どんだけショックか。
観ている我々は、どんなに幸せな様子がスクリーンに展開されても、すぐに訪れる悲しい出来事が判っているので、どうしても「いつそのときが来るのだろう、いつだろう。」と落ち着かない。でも、画面の何も知らないスージーは楽しそうで、幸せそうで、初恋のBFに胸を焦がし、子ども扱いのママにイラつき、パパの愛を受ける。
その様子が切ないけれど、14歳の桜の蕾のようなスージーに思わず微笑みたくもなる。
話の展開はかなりショッキングだった。直接的な表現はないものの14歳の少女が乱暴されて殺されたのだ。まだまだ、これからなのに、初恋の彼と初めてのキスをすることもなく、それどころか初デートもしないままに。同じ年頃のお子さんを持つお父さんはこれをどんな風に鑑賞するのだろう、きっと胸が張り裂けそうになって、パパのジャックと同じ様な行動をとるに違いない。
でも、そんなショッキングで辛くていらいらする展開と平行して、スージーは「あの世とこの世の境」というそれはそれは美しい世界にいるのだ。そこから、愛する家族を見守っている。見守る事しか出来ないのだけど、どうにか愛を伝えようとする。
どうしようもないもどかしさをスージーと私達は共有することになる。映画なのに、お話なのに、スージーやジャックやママのアビゲイル、妹のリンジーにも「気をつけて!」「頑張って!」と、つい声が出そうになった。
人は死んでしまうと何処へ行くのだろう。逝った先で、もし私もスージーの様なことが出来たなら、傍でみていたい、心配な人、愛する人、気になる人、尊敬する人、みんなが幸せに悲しまないように、傍に居たい。
スージー役のシアーシャ・ローナンのすんなり伸びた手足、あどけない笑顔、とても魅力的でした。脇を固める大人達も素晴らしい演技で、いい作品だと思いました。
最近自らの命を絶つ方も多い今の世の中。
きっと辛くて生きていけなくなってしまったのでしょう。解らないでもない。、でも、この映画のスージーを見て下さい、死ぬつもりなんて殺されるつもりなんて、全くなかったのに。殺されてしまった。自分の意思関係無く殺されてしまった。スージーの、生きたい・家族の元に戻りたい、という強い純粋な心の叫びを聞くと、生きていることの素晴らしさに、自分の取るに足らない生き方に気づいてしまうのです。
たった14歳。
なんで「ラブリー・ボーン」っていうのか分った時、胸がぎゅうってなってしまった。
「ラブリー・ボーン」@ぴあ映画生活
↓ここからネタばれ少々あり。
悲しみと美しさの混ざり合う不思議な気持ちは観ないと判らない。
スージー(シアーシャ・ローナン)は14歳。妹と弟がいる。誕生日にカメラを買って貰った。楽しくて嬉しくって、12本渡されたフィルムをあっという間に使い切り、ママ(レイチェル・ワイズ)に怒られた。でも、パパ(マーク・ウォールバーグ)は「一ヶ月に一本なら現像してあげる。」と約束してくれた。パパは優しい。ママは呆れ顔。家族5人・サーモン家はとっても幸せ。
本当に傍から見ていて素敵な家族で素敵な親子。パパはボトルシップを作るのが趣味でママは読書家。因みにパパのママ、リンおばあちゃん(スーザン・サランドン)はとってもオシャレで前衛的な考え。
でも、映画が始まってすぐに、スージー自身が語る。「私はスージー・サーモン。14歳で殺された。名前はスージー・サーモン、お魚みたいな名前でしょ。」どんだけショックか。
観ている我々は、どんなに幸せな様子がスクリーンに展開されても、すぐに訪れる悲しい出来事が判っているので、どうしても「いつそのときが来るのだろう、いつだろう。」と落ち着かない。でも、画面の何も知らないスージーは楽しそうで、幸せそうで、初恋のBFに胸を焦がし、子ども扱いのママにイラつき、パパの愛を受ける。
その様子が切ないけれど、14歳の桜の蕾のようなスージーに思わず微笑みたくもなる。
話の展開はかなりショッキングだった。直接的な表現はないものの14歳の少女が乱暴されて殺されたのだ。まだまだ、これからなのに、初恋の彼と初めてのキスをすることもなく、それどころか初デートもしないままに。同じ年頃のお子さんを持つお父さんはこれをどんな風に鑑賞するのだろう、きっと胸が張り裂けそうになって、パパのジャックと同じ様な行動をとるに違いない。
でも、そんなショッキングで辛くていらいらする展開と平行して、スージーは「あの世とこの世の境」というそれはそれは美しい世界にいるのだ。そこから、愛する家族を見守っている。見守る事しか出来ないのだけど、どうにか愛を伝えようとする。
どうしようもないもどかしさをスージーと私達は共有することになる。映画なのに、お話なのに、スージーやジャックやママのアビゲイル、妹のリンジーにも「気をつけて!」「頑張って!」と、つい声が出そうになった。
人は死んでしまうと何処へ行くのだろう。逝った先で、もし私もスージーの様なことが出来たなら、傍でみていたい、心配な人、愛する人、気になる人、尊敬する人、みんなが幸せに悲しまないように、傍に居たい。
スージー役のシアーシャ・ローナンのすんなり伸びた手足、あどけない笑顔、とても魅力的でした。脇を固める大人達も素晴らしい演技で、いい作品だと思いました。
最近自らの命を絶つ方も多い今の世の中。
きっと辛くて生きていけなくなってしまったのでしょう。解らないでもない。、でも、この映画のスージーを見て下さい、死ぬつもりなんて殺されるつもりなんて、全くなかったのに。殺されてしまった。自分の意思関係無く殺されてしまった。スージーの、生きたい・家族の元に戻りたい、という強い純粋な心の叫びを聞くと、生きていることの素晴らしさに、自分の取るに足らない生き方に気づいてしまうのです。
たった14歳。
なんで「ラブリー・ボーン」っていうのか分った時、胸がぎゅうってなってしまった。
「ラブリー・ボーン」@ぴあ映画生活
by bijomaru0330am | 2009-12-22 23:45 | 試写会