「60歳のラブレター」を観る
2009年 05月 20日
この「60歳のラブレター」って、公募で現実のラブレターを元に出来たお話なんですね、最近情報をあんまり仕入れないので、こんな感じの作品とは思いませんでした。ちょっと泣かされちゃった。自分とほとんど接点のない年代の3カップル。出ている俳優が好きじゃなかったらまず観なかったかなー。6人の登場人物の中ではプライベートでちょっと騒がれちゃった雅俊さんが一応メインなのかな。
↓ここからネタばれ少々
橘孝平(中村雅俊)は大手建設会社の役員。定年を迎えより重役々員として留ること望まれながらも、ベンチャー企業・・・実は若い愛人が起こした会社に共同経営者として再スタートをした。妻のちひろ(原田美枝子)との関係は冷め、一人娘も売れない芸術家の卵と同棲中(しかも妊娠中)。その橘家が贔屓にしている魚屋はやはり定年世代の正彦(イッセー尾形)と光江(綾戸智絵)夫婦が営んでいた。正彦は糖尿病で病院通いをしている。
その担当医はやはり似たような歳の静夫(井上順)。静夫は出世コースも外れ、女房にも先立たれ男やもめで高校生の娘がいる。医療の傍らTVや小説等の医療シーン監修もしており、今は同世代の翻訳家の麗子(戸田恵子)の仕事を監修している。
ここまで書くと、「なんだかこんな身近な世界で都合よく、しかも年齢の似た夫婦やカップルの御伽噺がある訳ない。」と、天邪鬼で世代的に接点のない‘液晶TV世代’の私は思ってしまった。が、なんとなく接点はあるものの表立って絡むことはないんです。それが自然で普通ぽくって良かったかな。
ちなみに孝平とちひろは定年を機に離婚し、始めたちひろのお手伝いのパート先が麗子のマンション。偶然?(笑)・・・映画だからね、良く出来た話だー。
地味でぱっとしないちひろが麗子の手助けもあって、遅咲きの花を咲かせるように垢抜けていく様は、世の奥様を蔑ろにして来たご主人方には耳も目も痛いところでしょう。実際、劇中孝平もビックリする。
この演出について、ちひろ役の原田さんが「あんまり極端だとマンガみたいだから。」と、心を砕いたそうです。どの辺で気をつけたのか?・・・と思って観ていたのですが、終盤中年人気作家(石黒賢)とデートするちひろの手先が映るシーンで、マニキュアもしていないし、しかも‘ささくれ’があったんです(スクリーンで判るほど)。原田さんは普段は女優さんらしく綺麗な手なんでしょう、がいくら綺麗な服で化粧にパーマ・ヘアカラーでも、いままでずっと主婦一本やりの女が付け焼刃で着飾っても追いそれ追いつかないのが指先の手入れ・・・ってことよくわかっているのだな、とリアルな感じがしました。
その他にも、キャリアばかりで男に晩生な女性を戸田さんがシャイでいい感じに演じていたし、‘色物’かな、と思っていた綾戸さんがざっくばらんで、愛情深いかあちゃんを自然に好演していたし、イメージがいつもと間逆な中村さんと井上さんも流石の演技で安心して観ていられました。
年代が自分とかけ離れていたので感情移入出来ないかも、と思っていましたが、夫婦とかカップルのあり方について、年代を問わない問いかけがあったと思います。孝平の一人娘(星野真里)が超ドライな態度と親以上にオトナの女っぷりなんで、「男女関係って年齢に関係ないよな」とも感じたし。
でも、年数を重ねたカップルって、「戦友」とかっていう表現するじゃないですか?それがすごっく判るっていうか伝わってくるっていうか、実感出来ました。愛とか恋とか超越した情を孝平とちひろ、それから正彦と光江に感じました。
観た人によって、いろいろ泣き所があった様ですが、私は「ちひろが離婚しているのにたまたま家に来た孝平の様子を伺見て‘何かあったんだ’と、直感で感じて励ますシーン」と「正彦が静夫に禁酒を解かれ嬉しそうにするのを後ろでニコニコみている光江」に泣かされました。
静夫と麗子の恋では、麗子が「この歳になって人を好きになるのってすごい体力要る、大変なのよ、遊びな訳ない!」みたいな事いうんです、「ホント、これにつきる」とスゴイ同感出来ましたね(新しい恋している訳じゃないけどー笑)。
なんとなく直感で観た作品だったんですが、拾い物(失敬)な感じで、広くいろんな方が楽しめると思いました。
蛇足。。。
オープニングに東京の臨海副都心がヘリの空撮で俯瞰に現れる。
思いっきり自宅の上空からスタート。(「252」で沈没したとこね)孝平の住む(元)家も架空っぽいけどわりかし近所。先日のTVドラマ「BOSS」でも天海さんが劇中連呼(なぜ連呼?)するのは実在のスポーツクラブ。
なんでもかんでも臨海地区って、親近感も沸くけど、ちょっと・・・な時も多し。局もスタジオも近くて録り易いんでしょうけどね~。
蛇足の蛇足。。。。
私は「絶対観ようと思う!」映画のフライヤーをとり忘れる傾向にある。しかも邦画(ガッカリ)で。ちょっと前はあおいチャンの「メリケンサック」で、今回はこれ。誰か余分にKeepしてませんかねー
「60歳のラブレター」@映画生活
↓ここからネタばれ少々
橘孝平(中村雅俊)は大手建設会社の役員。定年を迎えより重役々員として留ること望まれながらも、ベンチャー企業・・・実は若い愛人が起こした会社に共同経営者として再スタートをした。妻のちひろ(原田美枝子)との関係は冷め、一人娘も売れない芸術家の卵と同棲中(しかも妊娠中)。その橘家が贔屓にしている魚屋はやはり定年世代の正彦(イッセー尾形)と光江(綾戸智絵)夫婦が営んでいた。正彦は糖尿病で病院通いをしている。
その担当医はやはり似たような歳の静夫(井上順)。静夫は出世コースも外れ、女房にも先立たれ男やもめで高校生の娘がいる。医療の傍らTVや小説等の医療シーン監修もしており、今は同世代の翻訳家の麗子(戸田恵子)の仕事を監修している。
ここまで書くと、「なんだかこんな身近な世界で都合よく、しかも年齢の似た夫婦やカップルの御伽噺がある訳ない。」と、天邪鬼で世代的に接点のない‘液晶TV世代’の私は思ってしまった。が、なんとなく接点はあるものの表立って絡むことはないんです。それが自然で普通ぽくって良かったかな。
ちなみに孝平とちひろは定年を機に離婚し、始めたちひろのお手伝いのパート先が麗子のマンション。偶然?(笑)・・・映画だからね、良く出来た話だー。
地味でぱっとしないちひろが麗子の手助けもあって、遅咲きの花を咲かせるように垢抜けていく様は、世の奥様を蔑ろにして来たご主人方には耳も目も痛いところでしょう。実際、劇中孝平もビックリする。
この演出について、ちひろ役の原田さんが「あんまり極端だとマンガみたいだから。」と、心を砕いたそうです。どの辺で気をつけたのか?・・・と思って観ていたのですが、終盤中年人気作家(石黒賢)とデートするちひろの手先が映るシーンで、マニキュアもしていないし、しかも‘ささくれ’があったんです(スクリーンで判るほど)。原田さんは普段は女優さんらしく綺麗な手なんでしょう、がいくら綺麗な服で化粧にパーマ・ヘアカラーでも、いままでずっと主婦一本やりの女が付け焼刃で着飾っても追いそれ追いつかないのが指先の手入れ・・・ってことよくわかっているのだな、とリアルな感じがしました。
その他にも、キャリアばかりで男に晩生な女性を戸田さんがシャイでいい感じに演じていたし、‘色物’かな、と思っていた綾戸さんがざっくばらんで、愛情深いかあちゃんを自然に好演していたし、イメージがいつもと間逆な中村さんと井上さんも流石の演技で安心して観ていられました。
年代が自分とかけ離れていたので感情移入出来ないかも、と思っていましたが、夫婦とかカップルのあり方について、年代を問わない問いかけがあったと思います。孝平の一人娘(星野真里)が超ドライな態度と親以上にオトナの女っぷりなんで、「男女関係って年齢に関係ないよな」とも感じたし。
でも、年数を重ねたカップルって、「戦友」とかっていう表現するじゃないですか?それがすごっく判るっていうか伝わってくるっていうか、実感出来ました。愛とか恋とか超越した情を孝平とちひろ、それから正彦と光江に感じました。
観た人によって、いろいろ泣き所があった様ですが、私は「ちひろが離婚しているのにたまたま家に来た孝平の様子を伺見て‘何かあったんだ’と、直感で感じて励ますシーン」と「正彦が静夫に禁酒を解かれ嬉しそうにするのを後ろでニコニコみている光江」に泣かされました。
静夫と麗子の恋では、麗子が「この歳になって人を好きになるのってすごい体力要る、大変なのよ、遊びな訳ない!」みたいな事いうんです、「ホント、これにつきる」とスゴイ同感出来ましたね(新しい恋している訳じゃないけどー笑)。
なんとなく直感で観た作品だったんですが、拾い物(失敬)な感じで、広くいろんな方が楽しめると思いました。
蛇足。。。
オープニングに東京の臨海副都心がヘリの空撮で俯瞰に現れる。
思いっきり自宅の上空からスタート。(「252」で沈没したとこね)孝平の住む(元)家も架空っぽいけどわりかし近所。先日のTVドラマ「BOSS」でも天海さんが劇中連呼(なぜ連呼?)するのは実在のスポーツクラブ。
なんでもかんでも臨海地区って、親近感も沸くけど、ちょっと・・・な時も多し。局もスタジオも近くて録り易いんでしょうけどね~。
蛇足の蛇足。。。。
私は「絶対観ようと思う!」映画のフライヤーをとり忘れる傾向にある。しかも邦画(ガッカリ)で。ちょっと前はあおいチャンの「メリケンサック」で、今回はこれ。誰か余分にKeepしてませんかねー
「60歳のラブレター」@映画生活
by bijomaru0330am | 2009-05-20 23:45 | 試写会