「チェンジリング」を観る
2009年 02月 10日
今年のアカデミー賞はどんなサプライズがあるのか!!
「ベンジャミン・バトン」のブラピと今回私が鑑賞した「チェンジリング」のアンジーが、パートナー同士で男女主演賞をもし獲ったら!スッゴいですよね、でも「夢」じゃないのでは、と思えたアンジェリーナ・ジョリー渾身の一作でした。
今回の試写会はブロガー対象だった様で(そうだったんだー。)ネタバレ禁止令が出されました。(またかーい。)
ただ、この「チェンジリング」=「取り替えられた子供」は実話だそうなので、話しの展開も結末も知っている方もいるのでは。
それにしてもイーストウッド監督は実に良い題材を見出してきている、と思いました。
1928年ロサンゼルス。電話交換士として働くはクリスティン・コリンズ(アンジー)は独り息子で9歳になるウォルターと二人暮し。穏やかな中にも愛の溢れる生活だ。ある非番の休日、急な仕事の呼び出しに応じたクリスティン。予定より遅れて帰宅すると、部屋に独り残したウォルターが居なくなっていた。その日から5ケ月後、ロス市警が見つけ出した‘息子’は、全くの他人だった。
実話だからそうなんでしょうが、かなりドキュメンタリータッチ。
昨年鑑賞した「イントゥ・ザ・ワイルド」も実話で衝撃的でしたが現代劇でロード・ムービーだった点で気の休まる部分を多分に含んでいました。でもこの作品はそうはいきません。
次々と主人公に起こる‘思ってもみない事’は、大きな渦となって彼女を呑み込み、もがいてももがいても苦しめるのです。例えるなら、
・・・ある日なんの前触れもなく、突如後ろから不意に滝つぼに突き落とされたかと思えば、今度はそよとも風の吹かない岸の見えない湖の中央に小船で置き去りにされ、その次には大海原の大時化(おおしけ)に沈まない程度に錘をつけられて叩き込まれて、あっぷあっぷし続け、果てには泳ぎたくもないのに流れるプール(しかも、かなり高速)で延々とバラフライ(コレが一番キツイ泳法と思うから)で何周もさせられる、・・・みたいな。
(苦じー、息が出来な~いぃ)
目が離せなかったし、余所の気をとられる暇がなかったです。
以前一部報道で、アンジーが評価も興行もいいイーストウッド監督に作品で自分を起用するように持ちかけた、とありました。が、実際の話(あくまでどちらもマスコミ発表ベースですが)、アンジーはいくらイーストウッド作品でも(コレはそう思ったかどうかは判らないですが)・・・(出たくない)・・・と思ったそう。なにせ愛息子が失踪してしまう母の役ですから彼女には耐えがたかったそうです。(PG12指定です)。
それをやる気にさせたのは、実在したクリスティンの強固な意志だった様です。溺死させられる様な苦しみに必死に立ち向かう姿勢。なんどもなんども木の葉が水の渦に呑み込まれる様に翻弄されるのを耐え続けるクリスティン。そのあたりがまるで何かがのり移ったみたいな演技になったのか。素晴らしく熱演で、「アンジーだけどアンジーじゃない」って感じました。
他の俳優さん達も例えば、警部とか市警サイドの医者とかちょっと腹が立つ(いや、かなり)ほどリアルでした。特にマルコヴィッチの牧師様が良かったですねー。
20年代の女性たちの装いも儚げでいい感じでした。特にコリンズ夫人が被る釣鐘型の帽子は個人的にも私の好みのデザインで、とっても品があったです。あの時代の服装って素敵。アンジーのぽってりした唇にローズカラーの口紅も、より女性的で印象深かった。衣装は全部アンティークとか。
クリスティンは通勤に赤いボディの路面電車に乗るのですが、その様子も時代背景がよく醸し出されていたし、コリンズ宅のある街並みも良かった(これは現存する街らしい)。
アカデミー賞の撮影賞・美術賞にもノミネートも納得です。
唯一、ちょっと微笑ましい感じがしたのは、コリンズ夫人の職場風景。
今風に書けば「コールセンター」のSV?
流石アンジー姐さん、“光GENJI”も真っ青、ってとこでしたよー。
(是非スクリーンで確認して下さい^^)
「チェンジリング」@映画生活
「ベンジャミン・バトン」のブラピと今回私が鑑賞した「チェンジリング」のアンジーが、パートナー同士で男女主演賞をもし獲ったら!スッゴいですよね、でも「夢」じゃないのでは、と思えたアンジェリーナ・ジョリー渾身の一作でした。
今回の試写会はブロガー対象だった様で(そうだったんだー。)ネタバレ禁止令が出されました。(またかーい。)
ただ、この「チェンジリング」=「取り替えられた子供」は実話だそうなので、話しの展開も結末も知っている方もいるのでは。
それにしてもイーストウッド監督は実に良い題材を見出してきている、と思いました。
1928年ロサンゼルス。電話交換士として働くはクリスティン・コリンズ(アンジー)は独り息子で9歳になるウォルターと二人暮し。穏やかな中にも愛の溢れる生活だ。ある非番の休日、急な仕事の呼び出しに応じたクリスティン。予定より遅れて帰宅すると、部屋に独り残したウォルターが居なくなっていた。その日から5ケ月後、ロス市警が見つけ出した‘息子’は、全くの他人だった。
実話だからそうなんでしょうが、かなりドキュメンタリータッチ。
昨年鑑賞した「イントゥ・ザ・ワイルド」も実話で衝撃的でしたが現代劇でロード・ムービーだった点で気の休まる部分を多分に含んでいました。でもこの作品はそうはいきません。
次々と主人公に起こる‘思ってもみない事’は、大きな渦となって彼女を呑み込み、もがいてももがいても苦しめるのです。例えるなら、
・・・ある日なんの前触れもなく、突如後ろから不意に滝つぼに突き落とされたかと思えば、今度はそよとも風の吹かない岸の見えない湖の中央に小船で置き去りにされ、その次には大海原の大時化(おおしけ)に沈まない程度に錘をつけられて叩き込まれて、あっぷあっぷし続け、果てには泳ぎたくもないのに流れるプール(しかも、かなり高速)で延々とバラフライ(コレが一番キツイ泳法と思うから)で何周もさせられる、・・・みたいな。
(苦じー、息が出来な~いぃ)
目が離せなかったし、余所の気をとられる暇がなかったです。
以前一部報道で、アンジーが評価も興行もいいイーストウッド監督に作品で自分を起用するように持ちかけた、とありました。が、実際の話(あくまでどちらもマスコミ発表ベースですが)、アンジーはいくらイーストウッド作品でも(コレはそう思ったかどうかは判らないですが)・・・(出たくない)・・・と思ったそう。なにせ愛息子が失踪してしまう母の役ですから彼女には耐えがたかったそうです。(PG12指定です)。
それをやる気にさせたのは、実在したクリスティンの強固な意志だった様です。溺死させられる様な苦しみに必死に立ち向かう姿勢。なんどもなんども木の葉が水の渦に呑み込まれる様に翻弄されるのを耐え続けるクリスティン。そのあたりがまるで何かがのり移ったみたいな演技になったのか。素晴らしく熱演で、「アンジーだけどアンジーじゃない」って感じました。
他の俳優さん達も例えば、警部とか市警サイドの医者とかちょっと腹が立つ(いや、かなり)ほどリアルでした。特にマルコヴィッチの牧師様が良かったですねー。
20年代の女性たちの装いも儚げでいい感じでした。特にコリンズ夫人が被る釣鐘型の帽子は個人的にも私の好みのデザインで、とっても品があったです。あの時代の服装って素敵。アンジーのぽってりした唇にローズカラーの口紅も、より女性的で印象深かった。衣装は全部アンティークとか。
クリスティンは通勤に赤いボディの路面電車に乗るのですが、その様子も時代背景がよく醸し出されていたし、コリンズ宅のある街並みも良かった(これは現存する街らしい)。
アカデミー賞の撮影賞・美術賞にもノミネートも納得です。
唯一、ちょっと微笑ましい感じがしたのは、コリンズ夫人の職場風景。
今風に書けば「コールセンター」のSV?
流石アンジー姐さん、“光GENJI”も真っ青、ってとこでしたよー。
(是非スクリーンで確認して下さい^^)
「チェンジリング」@映画生活
by bijomaru0330am | 2009-02-10 23:45 | 試写会